33
「
琴高仙人と黄安仙人之図
」
琴高仙人は周代の現在の山西省のあたりで、宋の康王の役人をしていた人物だった。琴の名人だったが、修業して仙人になった。
二百年にわたり、鯉に乗り世界を行ったり来たりしていた。
後に葛玄に鶴をもらう。一方、黄安仙人は三尺ほどの亀に乗っていた。
その亀は三千年に一度頭を出すが、ある人が「今までに何回出したか」と尋ねると「五回出したよ」と答えた。
黄安仙人は一万年以上生きていることとなる。別名、盧敖仙人という。
34
「
羅真仙人
(別名・馬師皇)
龍を助くる之図
」
羅真仙人・・・馬師皇。黄帝の頃の馬の医師。
どんな病気も治してしまう名獣医。
ある日、龍が空から降りてきて、「自分の病気を治してくれ」と馬師皇に頼んだ。
薬を口に入れてやるなど治療し龍の病気は快癒した。
その後も幾度も同じように龍が治療に来た。
あるとき、龍は馬師皇を乗せ天高く舞い上がりそのまま空へ消えたという。
35
「
費長房仙人鶴に乗り天を舞う之図
」
費長房仙人・・・壷公
(ここう)
という名の薬売りが後漢の時代、河南省汝南県にやってきた。
壷から出す薬は良く効きよく売れた。儲けは貧しい人々に与えられた。
ある時、費長房は壷公が壷に飛び込むのを見てしまう。
費長房はそれ以来薬売りの世話をやき、壷公も費長房の誠実さを認めるようになった。
頼み込んで一緒に壷の中に入ったが、そこには別世界が広がっていた。費長房は壷公の弟子になり修業を始めたが、優秀な弟子とはいえなかった。
天界へ昇ることは無理だが、地上の主にしてやろうといわれ、費長房は仙人になったという。
記念誌