秩父神社


秩父神社/神門


徳川家康ゆかりの秩父神社/拝殿


つなぎの龍


子宝・子育ての虎


 徳川家康が社領五百十七石を寄進し、天正二十年(1592)
みずから大旦那になって再建したものです。
権現造りの社殿は極彩色で彩られ、本殿の彫刻「つなぎの龍」「子宝・子育ての虎」は、左 甚五郎作といわれる一見の価値のある彫刻があります。

 【つなぎの龍】
 本殿東側に描かれた、鎖でつながれた青い竜の彫刻も、やはり左甚五郎作とされている。この彫刻には、次のような伝説が残されている。その昔、秩父札所十五番小林寺の近くに「天池(あまがいけ)」という池があり、その池に住み着いていた龍が暴れると、必ずこの彫刻の下に水たまりができた。そこで、この彫り物の龍を鎖でつないだところ、それ以後は龍が現れなくなったという。龍が青い色で描かれているのは、家や地域の四方を青龍・朱雀・白虎・玄武の四神で守護するという四神思想に基づいている。この青龍は、秩父神社の東北(表鬼門)を守護している。

 【子宝・子育ての虎】
 当社の再興を命じた徳川家康は、寅の年、寅の日、寅の刻生まれとされ、それに因んで拝殿の正面には4面の虎の彫刻が施されている。左より2つ目の子虎と戯れる親虎の彫刻は、名工・左甚五郎が家康の威厳と祭神を守護する神の使として彫刻したものである。当時の狩野派の絵画では、虎の群れの中に必ず一匹の豹を描くことが定法とされていたことから、母虎があえて豹として描かれている。