宮内豊文司法書士事務所 静岡県焼津市焼津3-11-19 TEL 054-626-2724 mail to miyauchi |
ここに掲載のものは、被害者からの自己申告によるもので、悪質商法業者と思われる相手方の調査をしているわけではありません。
悪質商法の定義は定かではありませんが、宮内の判断により悪質商法であると思われるものを掲載しています。
被害者の中には、被害者自身の不注意や軽率な行動があるのかもしれません。しかし被害者を責める目で、このページを見ないでください。被害者はあくまで被害者なのです。
悪質業者は、一般市民の不注意や軽率な行動をねらって商法をしかけているのです。
人間は皆弱いものです。金、異性、子供に強い人間などいません。悪徳業者は、この人間の弱みにつけこんで計画的に次々と商法をしかけるのです。
マルチ商法(化粧品販売)
私は、家庭の事情によりサラ金等からの借り入れをしていましたが、身体も丈夫であったため精力的に働いて収入を得て借金の返済を続けていました。ところが、病気を患い職も失い、その後の返済について思案していたところ、知人から化粧品の販売業者である株式会社A社を紹介されました。
A社の商品を購入して会員となり、次に、他の者を会員として勧誘すれば、その者が購入した商品の代金の何割かが私の収入となる仕組みです。さらに、販売実績に応じて地位が上昇し、上位の地位になる程、自分の収入となる割合が高くなるという仕組みです。
平成※年頃、私は、会員となって傘下会員を勧誘し、一箇月で50個の化粧品を販売し、4万5000円の収入を得ることができました。その後も、実績を上げ続け、○○マネ−ジャ−という地位になることを薦められました。
○○マネ−ジャ−になると、新規の会員の購入代金の五割が自分の収入となるのですが、○○マネ−ジャ−になるためには、まず、1500個の商品を販売し、東京での研修を受けることが条件となっていました。
しかし、1500個もの商品を販売することは容易でなく、私はサラ金から50万を借り入れ、病気を患う前に勤務していた会社の退職金100万円とS信用金庫の定期預金100万円を費やして、知人名義で商品を購入しました。
また、○○マネ−ジャ−の研修ではス−ツ着用が義務づけられ、会員の獲得のためには洋服や化粧などの身なりを整えることが必要だと指導されました。
私には余裕のあるお金はなく、クレジットを組まなくてはス−ツを購入することはできませんでしたが、この頃は、冷静な判断力を欠いていたことから、○○マネ−ジャ−になり収入が上がれば、返済可能であると思い、クレジットを組んでス−ツを購入しました。
翌年に○○マネ−ジャ−に昇格したものの、月々10万程度の収入にしかなりませんでした。
昇格して間もなくした頃、妹が病気で倒れ入院し、他に妹の看病をする者がいなかったため、私が看病をすることになり、会員の勧誘活動に精を出すことができませんでしたので、それ以降は収入が減りつづけていきました。
呉服展示会のアルバイトのつもりが
私は、平成○年頃知人の紹介を受け、株式会社Sにて呉服の展示会の販売員のアルバイトを始めました。
株式会社Sの社員からは、毎月2回程度開催される展示会には呉服を着てくるよう指導されていました。
私は、呉服をもっていましたので、新たに購入する必要はありませんでしたが、株式会社Sの社員から、販売員となった記念に購入するよう勧められました。
多人数による執拗な勧誘に根負けした私は、既に多額の負債があり、信販会社の審査はとおらないであろうと考えていましたので、その場を立ち去りたい一心で、呉服をクレジットで購入する契約書にサインをしました。ところが、予想に反しクレジットの審査にとおり、呉服を購入してクレジットの返済をすることになってしまいました。
また、展示会の開催前には知人などに案内のチラシを配るのですが、展示会の終了後、販売員が一人ずつ社長の元に呼ばれ、展示会に来なかった知人など、電話で再度勧誘するよう叱責されました。
私も同様に叱責された後、私に似合う訪問着やコ−トやアクセサリ−等を一式見立てられました。私は時給1000円のアルバイトの身であり、販売実績を上げられなくても、義理を感じる必要はなかったのですが、叱責された直後であり、肩身の狭い思いをし、断り切れない状況となってしまいました。
その他にも、展示会に呉服の織元が来ている時には、織元と会った記念に呉服を購入すべきだと勧められ購入させられてしまったこともありました。
このようにして、展示会が開催されると、呉服の購入を勧められ、私は収入を得るどころか、呉服等の購入により約500万円ものクレジット債務を負う結果となってしまいました。
呉服販売のアルバイト
私は、知人の紹介で呉服販売のアルバイトを始めました。私がアルバイトで勤務したのは、Sという呉服を中心に衣料品の販売をする業者でした。
このSでは、ミーティングと称してアルバイトの店員が集められ、ここで店のチラシを配布され、商品の説明や顧客勧誘の説明を受けます。アルバイトの店員は、配布されたチラシを知人・友人等に配布し店舗に顧客を勧誘するのです。
アルバイトによる収入は、ミーティング時の時給3000円、勧誘した客が来店した場合やその客が店舗にて商品を購入した場合に販売金額の一部が支払われる仕組みでした。
私がアルバイトを始めて日の浅い頃、私はSの従業員5、6名に囲まれ、商品を購入するよう勧められました。
私は自分の収入では購入が無理ですと断っていたのですが「分割払いで購入すれば、その後のSのアルバイト収入により充分支払える」とSの従業員に言葉巧みに勧められ、遂には断りきれない状況に負いこまれてしまいました。
このとき17万円のペッカリーコートと28万円の呉服をクレジットで購入させられました。
しかし、私がSに勧誘する客の数は限られ、更にSでは、月額30万円〜50万円のノルマを課せられ、これも達成できなかったため、約半年でSのアルバイトは止めましたが、購入した商品のクレジットの残金の支払いは、その後も継続しなくてはなりませんでした。
出張ホスト
私は、雑誌の記事で「出張ホスト」というアルバイトがあることを知り申し込みをした。「出張ホスト」とは、「出張ホスト」を斡旋する業者の名簿に登録をし、業者の指定する女性と決められた日時に会い、一定時間を過ごすと高額の金品を相手の女性からもらえるというものです。
私は、業者と面談し採用してもらえることになりました。但し業者は、入会金及び登録手数料として50万円を振り込むよう伝えてきました。私は、この50万円を母に頼み込み借り入れて支払いました。
「出張ホスト」のアルバイトでは、相手の女性と喫茶店で話をする程度でしたが、相手の女性は、すごく綺麗な人で、どうしてこんな綺麗な人が私とデートする必要があるのだろうかと不思議に思っていました。
その後、私は「出張ホスト」のアルバイト中に、相手の女性を不愉快にさせたと業者から強く責められました。このままでは大変なことになると脅され、そのことの責任を取って、この業者のアルバイトを辞めることになりました。
それからしばらくした後に、別の業者から入会の勧めがあり、担当者の言葉巧みな勧誘に乗せられ、私は前回の失敗して失った登録料の50万円を取り返そうと、別の業者に入会金及び登録手数料の60万円を支払いました。この時のお金も母に頼みこみ用意してもらいました。
今になって冷静に考えれば、何の苦労もしないで高収入が得れる仕事があるはずも無く、これらの業者がいかがわしいもので、仕事上の些細な失敗を責め退職に追い込むことも彼らの常套手段であったことも理解できますが、私は、そのことに気がつかず、後になって警察から連絡を受け、初めて騙されたことを知りました。
軽急便
平成○年1月に、軽トラックによる運送請負業を営むため、株式会社Oとの間で、特約店加入契約を締結し、運送業に従事することになりました。
株式会社Oの仕事に使用する軽トラックは、株式会社Oから購入しましたが、車両代金・自動車保険・貨物保険等の合計金額で196万円ほどになりました。
しかし、株式会社Oの広告や契約前の説明によれば、最低月収が30万円で、50万円程度は得れるとのことでしたが、現実には月々の収入は20万円にも満たないことが殆どでした。
更にこの収入金額から燃料費や高速料金の片道分は、私の負担となるため、生活は成り立たちませんでした。収入金額が少ない唯一つの原因は、株式会社Oから発注される仕事量が少ないためでした。
平成○年7月、私は株式会社Oからの発注の増加も望めないため、運送業を廃業することを決意し、同時に生活費や負債の返済に充当するため、営業用軽トラックを担保に、有限会社Eから20万円を借り入れました。
営業用軽トラックは、有限会社Eに担保として預けてありましたが、20万円の借金の返済ができなかったため、その後は不明です。