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体験四方山話


6 イメージ力
 物作りにはイメージする力がもっとも必要です。作りたい物のイメージが明確なら明確なほど意欲も強くなり、継続する力になります。
 それでは明確なイメージはどのようにして作られるのか。普通、イメージを頭に描くとほぼ100%、平面的な、紙に描かれた絵のようなイメージになります。立体物のイメージはほとんどが自分の好みの角度、分かり易い角度からのイメージになってしまいます。このまま作ると何か違う、どこがと言ってはっきり言えないけれど何かが違うと悩み始め、挙句の果てに初めのイメージには無かったデコレーションなどを加えて誤魔化してしまいます。陶器ではほぼ腰から下が曖昧になっていて、特に畳み付などはまったく考えに入っていない事がよくあります。
 イメージをしっかり作る為には意識して上下左右、斜めからの視点も作り、どんな形にするのか、曲面の具合はどうか、角の作り方はどうするか、具体的な検討が必要です。それぞれのイメージが固まったら、今度はイメージからイメージへと視点を動かしてみてください。実際に見ているように、というよりは動画を見ている感じの方が近いかもしれません。
 これはあくまでイメージなので実際にはあり得ない視点も設定できます。たとえば茶碗の中から縁を見上げる視点です。このイメージはまったく無意味なようですが、不思議なことに茶碗の口当たり、飲み具合などがイメージできます。
 それと陶器では重さも重要です。特に手に取る物では重さのイメージも持ってください。実際に作った時、重過ぎたなら削り取る最適箇所がつかみ易くなります。

 このようなイメージを作る訓練としては部屋に入って中を見て回るというようなイメージトレーニングがいいですよ。まず部屋のドアを開け、ドアが開いてくるところも具体的にイメージして、部屋の明かりの中で首を動かしてどこに何があるのかを見て、歩いて行って一つ一つ見て回る。色や手触りなども意識して、手に取れるものは手に取って、蓋を開けたら中の物も見てみたり、なるべく具体的に進めることが肝心です。
 このようなイメージトレーニングをしていると実物に接した時、物の見方が全く違ってきます。斜めにしたり裏をひっくり返してみたり、たぶん茶道のお道具拝見のようなことをしてしまいますよ。ちなみに手にとって観てもいい場合は、茶道と同じように畳(机やテーブル)の近くに手を持って行って観て下さい。これは万が一手を滑らせて・・・でも大事には至らないという配慮なので、お店の方があなたをただ者じゃあ無いな、なんて思うかもしれませんね。

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