今考えてみれば聖戦はFEの中でもかなり特殊なシステムを採用していた。GBAシリーズのうちエレブ編が紋章の発展系、聖魔が外伝の発展系と考えるなら更にだ。
そして聖戦の特殊なシステムは、そのストーリーに大きく関係していると思われる。
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たまに「聖戦が固定カップル制だったら良かったのに」と言っている人を見かける。しかし私はそんなの嫌だ。何故なら全員出撃の聖戦で固定カップル制だったら2週で飽きるから。同じ出撃メンバー・同じイベント・ルート分岐すらなし・EDも一緒・・・。いくらOPが変化するからって再プレイをする気を大幅に削ぐ。全く同じゲームを誰がわざわざ何回もやるか。
また「聖戦は血筋によって全てが決まるのが駄目」という意見もある。
しかし神族優遇は聖戦のストーリー上必要なシステムだと断言したい。あくまで竜族の力を持った神の末裔は強力でなければならない。それが聖戦の系譜だと考える。
それに聖戦は一部のユニットが優遇されていても何とでもなるシステムを採用している。それが全員出撃制であり、恋愛システムであり、代替キャラシステムであると私は考える。
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全員出撃によって聖戦は他のシリーズみたく、いわゆる2軍が存在しないシステムとなっている。つまり、その気になれば一回のプレイで容易に全員日の目を見る事が出来るのだ。
更に神族優遇≠一般兵排除である事も重要だ。オール代替キャラでプレイするのが一番面白くなるバランスであるとは製作者が述べている。
よほど父親の世話を失敗した一部の子供キャラで無い限り全員きちんと使える、使い道がある。そして全員出撃制である。それが神族優遇システムを取りながらも全体のバランスを保てる秘訣だろう。
聖戦のユニット評価は一般的にはこうであることが多い。
しかし筆者はこう思う。
*平民のセティ・フィーや代替だが神族持ちのアミリン兄妹などの例外はある。
聖戦の系譜の世界の中には神族持ちで無い人々の方が圧倒的に多いのだから、代替キャラこそがスタンダードであろう。個人的な話だが、筆者は代替キャラを弱いと感じたことは無い。よく言われるデイジーは弱いキャラというよりも変則的なユニットだと感じる。ようは使い方の問題だ。そのユニットの使い方を模索するのがゲーム攻略の仕方だと思う。
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全員出撃制で代替キャラでも充分に使えるバランスであること。それが聖戦の系譜におけるキャラバランス・ユニットバランスを支えている。そして神族持ちは竜族の力を持った神の末裔であるというストーリー的な制約により強くなければならないのだ。
他のシリーズみたいに「2軍落ち」があるシステムでこんなユニットバランスだったら絶対に名作とは言われなかっただろう。 しかし逆に封印みたいに努力次第で誰でも神器が使えるシステムだったら聖戦のストーリーが成り立たない。
さらに逆として封印で八神将の子孫のみが神将器を扱えるシステムだったらストーリーどころかゲームすら成り立たない。
封印は八神将の戦いから1000年経っており、しかも途中で終末の冬を挟んでいる。故にリキア人皆がローランの子孫であり、それどころかリキア人以外にもデュランダルを扱うことが出来る。
しかし聖戦は十二聖戦士の戦いからたったの100年であり、まだ直系子孫が竜族の力を所有してその血脈を伝えている。そしてその直系子孫が民衆の上に君臨している。
聖戦が他とは全然違ったシステム的な特殊さがあるのはこの辺りが原因だろうか。むしろ聖戦だからこそできたと言えるのではないだろうか。
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今までは全員出撃制について語ってきた。ここからは恋愛システムや代替キャラシステムについて軽く話そう。
このページの上に「全員出撃の聖戦で固定カップル制だったら2週で飽きる」と書いた。恋愛システムや代替キャラシステムにより、全員出撃でありながら後半のユニット編成をある程度自由に変えることが可能なのだ。
それが聖戦の系譜が飽きが来ないシステムにさせていると思う。特に筆者は後半は子供キャラ4組、代替キャラ3組出現させていて、子供キャラの父親も色々と工夫してみている。
おかげで全員出撃制でありながら、後半キャラの顔ぶれやユニット性能がまるで違うものになっている。
この一風変わっていると自負している私のプレイスタンスについてはまた別項で書く予定だ。ユーザーによってさまざまな楽しみ方が出来るのがFEの良いところだろう。
(2006.10.31)