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商売の悩みにこたえる新規開業セミナー
先輩としてアドバイス 心得や自主記帳など強調
静岡・小笠掛川民商副会長 大石秀之さん(57)=自動車修理販売=が手記
 静岡・小笠掛川民主商工会(民商)では、新規開業セミナーが好評です。民商ではパソコン教室やセミナーを三役が担当することにしており、私はセミナーの担当で7回開催。これまで23人が参加しています。
 参加した人は、すでに商売を始めているが行き詰まっている人、脱サラを考えている人、店舗を確保し開店の準備をすすめている人、開業資金に困っている人などさまざまです。
 セミナーでは、開業に必要なこと、気をつけることをまず説明します。「売り上げの確保は大丈夫か」のところでは、「お客さまのニーズにこたえられる技術、知識、接客マナーなどはあるか」「店舗の立地条件はどうか」など、です。
 「資金繰りは大丈夫か」のところでは、「開業時には設備資金も運転資金もたくさん必要になるので、あらかじめ必要な建物、機械、車、備品などの見積もりが大事」「売り上げの入金が1カ月から数カ月後になる場合に備えて、必ず多めに運転資金を確保する」などとアドバイスします。
 さらに「商売に一番大切なのは帳面づけです」と自主記帳の大切さを強調。日々の売り上げ、仕入れの記帳はもちろん、自分で記帳することで経営対策や税金対策、税務署対策などが即座にでき、経営のよい面、悪い面の分析を通じて先手先手で対策をとる必要性を知らせ、意見交換もしていきます。

自分の経験や失敗談も語り
 さらに、商売人の先輩として、自分が商売を始めた状況や失敗談、やってよかったことなど、私の経験も語ります。
 私は25年商売してきましたが、このようなセミナーに参加したことも聞いたこともなかったため、非常に苦労しました。
 生まれ育ったところだから、店を開ければ近所のみなさんに来てもらえると思っていました。
 ところが1週間たち、1カ月たっても指で数えるほどのお客さんだったので、悩みました。
 動かなければだめだと友人を訪ね、親せきを回り、夫婦で頑張りました。その友人の1人から紹介されたのが民商でした。すぐ入会。帳面や資金繰りのアドバイスなどを受けるなかで、少しずつ商売らしいものが見え始め、現在に至っています。民商のありがたさがよく分かりました。
 私が、セミナーの参加者の「どこに相談したらいいのか悩んでいた」「いろいろ勉強会に参加したが、すっきりしなかった」などの声にこたえることができたかどうか分かりませんが、日常的な帳面づけの重要性やもうけを出す工夫、お客さまの確保の方法、申告の仕方など、お互いのアドバイスから深めることができたと思います。
 ある参加者は「若い人がこれから商売を始めるのにすごいパワーを感じる。ここで会えた人たちに同級生のような連帯感を持てた。この方たちが開店したらぜひ客として行ってみたい。聞いたことを生かしていきたい」と喜んでいました。私も充実感を味わいました。
 9月の参加者は昼と夜で5人でしたが、4人が商工新聞読者になりました。参加した人のなかには、パソコン教室や消費税セミナーなどにも引き続き参加する人もいて、5人が入会し、11人が読者となり、ずっといろんなつながりをもっています。
 商売の悩みにこたえることの大切さを感じ、ますますセミナーを充実させたいと思っています。
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