民商のパソコン教室が売り上げを伸ばす力に＝静岡・小
笠原民商
３店舗目を準備 有海幾雄さん（２５）
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| パソコン教室のインストラクターを担当したみなさんと一緒に（中央が有海さん） |
有海さんが、小笠・掛川民商に入会したのは、開業して１年目のころです。いよいよ申告しなければならないのに、記帳の仕方も何もわからず悩んでいたところ、「なんでも相談会」のチラシが入り、民商でアドバイスを受けながら、パソコン記帳を覚えました。
「記帳を覚える前は、売り上げはすべて『自分のお金（収入）だ』と思っていました。記帳を身に付けたことで、自分の商売の実態が数字でつかめるようになった」と言います。
「売り上げや、仕入れのデータなんかも簡単に出せるようになりました。経営対策には本当に便利ですよ。周りの人にも、民商に入ってパソコン記帳を身に付けようと勧めています」とうれしそうに話す有海さん。
昨年、小笠掛川民商の開いた「パソコン記帳教室」では「教えることで、自分の勉強にもなる」と、インストラクターとしても活躍しました。「みんなで教え合えるのが民商の魅力です」
また、「同年代の人との交流もしたい」と青年部にも入部しました。
民商青年部では、お互いの商売の夢や、顧客獲得のための工夫などを交流しています。
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| 日本酒、焼酎中心のお店。お客さんと話がはずむ有海さん（中央） 居酒屋 さんぱち屋 |
ＪＲ掛川駅の北口を出ると掛川市の中心街に出ます。最近ではめっきり人通りが少なくなりましたがにぎわっているのが、有海さんの経営する居酒屋「さんぱち屋」とショットバー「オリーブ」です。
居酒屋「さんぱち屋」は、日本酒や焼酎を中心にしたお店で、「売り」は日本酒・焼酎がすべて３８０円、ビールや料理もすべて１品３８０円。「さんぱち屋」という屋号もそこからつけました。銘酒がリーズナブルな値段で味わえることが、近所の人や、観光客、出張中のサラリーマンなどに人気を呼んでいます。
ショットバー「オリーブ」は、カクテルやウイスキーなどの洋酒を中心にしたお店です。１００種類以上の洋酒がカウンターにずらりと並べられ、若者に人気がある店です。
有海さんが、「オリーブ」を開店したのは５年前、「さんぱち屋」は２年前。お酒が好きで「良いお酒を、気軽に味わえる店をつくりたい」と考えていました。
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| 青年部で商売の交流（左が有海さん） |
「良い酒を仕入れるためには仕入れ先とつながりを持とう」と開業前は酒屋に勤め、資金をためながら仕入れ先との関係を築いてきました。
勤めていた酒販店から、地元の酒販店や蔵元を紹介してもらい、足を運んで頼み込みました。店にある鹿児島の「佐藤」や「村尾」、宮崎の「百年の孤独」などの焼酎、日本酒も新潟の「越の寒梅」、焼津の「磯自慢」など、居酒屋には定期的に卸してはくれないものばかりです。
「開業したてのころは、あんまり安いんで、『偽物じゃないか』って陰口を言う人もありましたよ」と笑いながら話す有海さん。「店売り単価が安いので、仕入れには特別気を使っている」と言います。料理も、既製品や加工品を最小限に抑え、サラダのドレッシングでも手作りにすることで、仕入れ値を安く抑えています。「サービスし過ぎて損をしているものもありますが、全体に売り上げが伸びてくれれば採算は合います」と話します。
消費税の増税とんでもない
消費税の課税業者でもある有海さん。４月の総額表示の義務化で、これまでオール３８０円（外税）を看板にしてきましたが、対応を迫られています。「消費税法の改悪は本当に腹が立ちます。増税なんてとんでもない、絶対に反対です」と話します。
現在出店を予定している３店舗目は、中高年向けに、１００種類以上の日本酒や、焼酎を置く店を計画しています。「焼酎アドバイザーや利き酒師の資格もとって、飲み方もアドバイスできる店にしたい。やりたいことがまだまだいっぱいありますよ」と目を輝かせました。