2005年9月12日 日本共産党中央委員会常任幹部会
(一)
今回の総選挙で、日本共産党は、改選前の9議席を確保しました。比例代表選挙で、得票率を若干減らしたものの、得票数を伸ばし、492万票を獲得しました。この結果は、善戦・健闘といえるものです。常任幹部会は、ご支持をいただいた有権者のみなさん、猛暑のなかで奮闘された支持者、後援会員、党員のみなさんに心からお礼を申し上げます。
(二)
今度の総選挙は、小泉首相が周到な計画をもって奇襲的に仕掛けてきた選挙であり、"小泉突風”がふきすさぶ難しい条件のもとでのたたかいでした。
わが党は、8月3日、19日に開いた全国会議および総選挙全国決起集会でいち早く政治的・組織的方針を鮮明にし、これに正面からたちむかいました。「二大政党制づくり」の動きのなかで後退した最近2回の国政選挙の教訓を生かして、現実の政治のなかでの日本共産党の役割をより鮮明にするため、「野党としての公約」をうちだすとともに、いまの政治には「たしかな野党が必要です」と国民のみなさんに訴えました。わが党が選挙戦で訴えた論戦の内容は、国民の気持ちにかみあった的確なものであり、大きな力を発揮しました。
全国の党組織と党員、後援会員は、「何としても勝ちたい」との思いで、短期決戦のたたかいで、この間の国政選挙時を上回る力量を発揮し、果敢に奮闘しました。
わが党が、難しい条件のもとでの選挙に正面からたちむかい、「政権交代」を呼号した民主党が議席を大きく失うなかで、得票を増やし現有議席を確保したことは、この間の国政選挙での連続的な後退を押し返したものであり、今後の本格的な前進を築くうえで重要な土台となるものだと考えます。
(三)
郵政民営化の是非を唯一の争点にし、「改革を止めるな」と絶叫した小泉自民党のキャンペーンは、国民がいだいている政治への閉塞感を打破するかのような、漠然とした期待を広範な有権者に広げました。その結果、自民党は多くの議席を獲得しましたが、国民いじめの小泉「改革」がさらに進行するなかで、また外交のゆきづまりが深刻化するなかで、国民との矛盾は今後鋭くならざるをえません。
唯一の争点に仕立て上げた郵政民営化問題それ自体でも、小泉首相は、国民に真実を語らず、ウソとごまかしに終始しました。首相は、選挙戦のなかで消費税・所得税などの庶民大増税、憲法九条の改定の問題などを隠しつづける態度をとりましたが、これらは、いやがおうにも新しい国会で問われてくる国政上の重大問題になります。
情勢は、「たしかな野党」としての日本共産党の奮闘を求めています。わが党は、新しい国会で、郵政民営化に真っ向から反対をつらぬき、庶民大増税、憲法改悪を許さず、国民のくらし・平和の守り手として、「野党としての公約」を実行するために全力を尽くします。
(四)
総選挙で、わが党は、「すべての比例代表ブロックでの議席の獲得・前進」を目標として奮闘しました。この目標が達成できなかったことについて、党内外のみなさんのご意見もいただきながら、中央委員会として、またそれぞれの都道府県委員会、比例代表ブロックとして、総括をすすめ、教訓を明らかにし、つぎの選挙では、本格的な前進と飛躍を期したいと決意しています。
日本共産党は4月の第3回中央委員会総会で、どんな情勢のもとでの国政選挙でもかならず前進できる、質量ともに強大な党をつくるために、来年1月の党大会に向けた「党勢拡大の大運動」を提起し、これにとりくんできました。そのさなかの総選挙でした。今度の選挙結果は、党の実力をつけることの意義──「大運動」の重要性をいっそう痛切に裏付けるものでした。
再来年のいっせい地方選挙、参議院議員選挙での前進をめざし、「たしかな野党」の力を存分に発揮して国民のくらしと平和をまもるために献身しつつ、どんな激動の情勢でも、主体的にきりひらく実力をもつ党を築くため、「大運動」の成功に全力を尽くす決意です。
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