私は日本共産党浜松市議団を代表して、
 認第5号  平成16年度浜松市一般会計歳入歳出決算
 認第6号  平成16年度浜松市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
 認第9号  平成16年度浜松市介護保険事業特別会計歳入歳出決算 そして
 認第16号 平成16年度浜松市小型自動車競走事業特別会計歳入歳出決算
について反対の立場で討論を行います。

 まず初めに、今回の決算審査の方法についてですが、合併した11市町村を含めて全てを5日間で審査することは時間的に非常に無理があり、十分な審査ができなかったことを残念に思っています。

 決算は終わったことではなく、その結果を予算に生かすという大切な仕事があり、議会での丁寧な審査が必要だと考えます。

 さて、当局は、平成16年度当初予算を編成する上で、本市を取り巻く環境の一つとして、「経済状況をみると雇用や所得環境は大きく改善されず、家計にも地域にも回復の実感は乏しいのが実態で、輸出についてもドル安・円高などの懸念材料をはらんでおり、決して楽観できる状況ではない」としていました。
 地方財政計画はその規模、一般歳出、単独分の投資的経費のいずれも前年度に比べて減額となり、さらに三位一体改革が本格化し、地方歳出は徹底的に見直しが行われた結果、地方財政全体の通常収支の財源不足が大幅に縮減し、その不足額を補てんする地方交付税や臨時財政対策債も減額となっている。」と述べています。
 そしてこのような地方財政を取り巻く状況の中で、浜松市の平成16年度当初予算は
 @ 戦略計画に基づき、重点分野に集中配分する予算
 A 市民要望にきめ細かく柔軟に応える市民本位でつくる予算
 B 行政改革を推進し、政策効果、コスト意識を反映させることを基本方針として編成されており、
一般会計予算の実質的な規模は、前年度比2.6%減の1728億円となりました。

 当初予算の編成は、市政運営の基本方針である「公平・公正で開かれた市政」「市民に対するサービスとしての市政」「ソフトとハードのバランスのとれた市政」を反映させる一方で、政策の優先順位づけや、重点的な資源配分を行うための実践計画である「浜松市戦略計画2004」を核に据え、政令指定都市の実現をはじめ7つのリーデイングプロジェクトを重視したものとしています。
 そして市民要望にきめ細かく柔軟に応える市民本位でつくる予算、行政改革を推進し、政策効果、コスト意識を反映している予算であることが強調されていました。
 そこで、このような平成16年度予算が、市民生活を守る上でどのように執行されたかを見てみてみたいとおもいます。

 まず一点目の財政状況です。
 中期財政計画の目標は「公債費比率15%以下への誘導」と「平成16年度末市債残高2000億円以下」の2点を挙げていますが、これに対して、平成16年度では公債費比率は15.5%、市債残高は2212億円と、いずれも中期財政計画の目標は達成されませんでした。

 特に公債費比率は10%を超えないことが望ましく、15%を超えると要注意とされていますが、15,5%になったことは財政の硬直化がうかがえるものとなりました。

 また、主な財政指標であります経常収支比率も、平成15年度の73,3%から81,0%へと悪化しており、財政が硬直化していることが伺えます。

 経常収支比率は75%程度に収まることが妥当とされ、80%を超えると弾力性がなくなってくるといわれていますが、ついにその域にはいってしまいました。

 さて歳入の状況ですが、三位一体改革の下、歳入の面では、対前年度比で大きく落ち込んだのが地方交付税で、普通交付税は前年度と比較して69億5294万円も削減されています。
 その結果、平成16年度の経常的一般財源は1057億1504万円となり、歳入全体にしめる構成比は55.6%と、前年度の59.5%から大きく後退しています。

 歳出では公債費が前年度と比較して153.7%増加しており、歳出全体に占める構成比率も13%から19.6%へと大きく膨らんでいます。これでは中期財政計画の達成どころか、ますます財政運営は困難な状況に陥ってしまうのではないでしょうか。

 このようなことから、平成16年度における投資的経費は前年度の482億6026万円に対して76億7369万円減の405億8657万円と減少し、とりわけ市民生活に密着した単独事業費は、60億8千万円も減っているのが大きな特徴となっています。

 また債務負担行為額は731億6461万円となっており、地方債 現 残高と合わせると2943億9400万円にものぼります。このような決算結果では、いくら当初予算の編成方針で「市民要望にきめ細かく柔軟に応える市民本位でつくる予算だ」といっても、それはむなしく響くばかりであることを最初に指摘をしておきたいと思います。

 次に平成16年度一般会計歳入歳出決算をみてみますと、天竜川・浜名湖地域の合併や政令指定都市移行を目指す中で、合併に伴う情報システム統合経費、政令指定都市構想推進費、天竜川・浜名湖地域合併協議会負担金などの合併推進予算が執行されたこが大きな特徴だと思います。
 そして、これは合併に対する市民の意志を一度も問うことなく執行されたものであり、地方自治の本旨に反するものではないでしょうか。

 また「政令市になれば、財政的に豊かなまちづくりができる」としていますが、これは政令市の現実の姿とは違っています。
 ご存知のように今、政令指定都市の財政は逼迫して大変な危機に直面しています。
 その理由は「都市間競争」という名の下に、膨大な税金が開発事業につぎ込まれたこと、そしてもう一つの理由は、国、県道の維持管理など政令指定都市移行に伴う権限委譲事務に対する、財源措置が不足していることが、財政逼迫の大きな要因としてあげられます。
 政令指定都市になれば、確かに税制上の特例として地方交付税等の増額や石油ガス譲与税、軽油引き取り税、宝くじ発売収益金など新たな財源が見込まれますが、しかし、権限移譲に伴う政令指定都市固有の事務に対する財源不足がそれ以上に上回るのが実態であり、合併誘導の「政令指定都市になれば財政的に豊かなまちづくりができる」という謳い文句はまったく根拠がありません。
 ちなみに日本経済新聞社が出版している「全国都市財政年報」によりますと、2002年度における経常収支比率は神戸市、大阪市とも100%を超え、一番低い北九州市でさえ、85.9%となっています。また政令指定都市の公債費比率も20%前後となっているのが現実です。

 もう一つ指摘しておきたいのは、市政運営の基本方針として「公平・公正で開かれた市政」が実現されているかということです。
 ご存知のように行政手続法が平成5年に施行され、行政庁の処分、行政指導及び届出に関する手続きに関し、共通する事項を定めることにより、行政運営における公平の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的としています。
 そして浜松市はこの法律の規定の趣旨にもとづいて、平成8年に浜松市行政手続条例を制定しています。
 さらに平成13年には市政に対する市民の信頼の確保と市民参加の充実を図り、もって民主的で開かれた市政の運営に寄与することを目的とするために浜松市情報公開条例を制定しています。

 しかし浜松市政の実態は、市民に開かれた市政運営になっていないのが実態であります。
 例えば、保育料の減免では、審査基準はあっても、それを市民に公開せず不透明な状況となっており、また、国民健康保険における一部負担金の減免が施行規定に定められているにもかかわらず、減免の審査基準がつくられていなかったために市民の信頼を損ねるという、とても市民の付託に応えた市政運営とはなっていないと言わざるを得ません。
 本当の意味での「公平・公正でひらかれた市政」の実現に向けて、本質のところでのさらなる努力が必要です。

 次に歳出についていくつか指摘をしておきたいと思います。

 まず総務費です
 合併に伴う情報システムの統合で25億6900万円を執行しました。合併については、住民の声をどこまで聞いたのか、合併の是非の判断をどこで下したのか、その根本までさかのぼっての論議になりますが、当局の姿勢は常に、合併ありきの市民誘導であったことについて党市議団としては、本来の住民自治を守るための公平・中立の立場であるべきではなかったでしょうか。いづれにしても、合併の議決前に事実上の合併予算を執行したことは理解を得られるものではありません。

 合併協議を短時間で進めなければならなかった、市職員のみなさんの業務量も想像を絶するものであったと考えられます。
 時間外労働に関する資料から読み取れるものだけでも、個人の残業時間の最高が935時間になっていました。15年度の1175時間よりは下回ったとはいえ、月に約78時間、1日4時間近くの残業時間です。
 また、課毎の平均の時間外労働時間が300時間を越えている職場の数は、15の部署がありました。なかでも、政令指定都市推進課は742時間と課別では最高の時間数です。次いで政策法務課が690時間、どちらも合併に向けて大変な仕事をされている部署です。
 効率よく仕事をして、残業をしないようにといっても、圧倒的な人員不足の中では、一定の部署にまた、一定の職員に仕事が覆いかぶさる異常な状態が改善されなければ、この状況は続くことになります。
 厚生労働省は過重労働による、健康障害を防ぐために時間外労働については月に45時間以内におさめるよう、通達を出しています。職員のみなさんの健康被害がこれ以上拡大しないよう、法を守る立場である行政として、職員のみなさんの健康管理義務をしっかり果たすよう強く望みます。

 次に公平委員会委員の報酬についてでありますが、毎年の決算審査委員会で指摘されているにも関わらず、その報酬体系が見直されません。
 1年間の開催回数が4回で1回当たりの時間は1〜2時間、委員長の月額報酬は8万1千円、委員2名の月額報酬は5万9千円となっており、時間当たりの単純計算では11万8千円という、常識では考えられない金額になっています。検討の余地があるのではないでしょうか。

 総務費の最後は基地周辺整備費について述べます。航空自衛隊浜松基地があることで、様々な障害が発生しています。特に騒音については、影響する地域で生活される住民でなければ、実感として分からないものかもしれませんが、とにかく、ジェット機が飛んでいる間は、電話も、テレビも、もちろん人との会話も遮断されます。従来の練習機に加え、エーワックスが配備されて以来、お腹のそこに響くようなすご味をもった音が響きわたります。
 航空機の騒音測定結果では、昭和61年から平成16年まで一度も基準値以下にならないという状況になっていますが、基地周辺地域への生活環境を整備し、少しでも安心して暮らせるように、騒音対策についてはもっと、強力に申し入れをし、その手立てをとるべきと考えます。

 次に民生費です

 平成15年度に施行された「次世代育成支援推進法」に基づいて浜松市の計画策定にあたり、パブリックコメントが実施されました。16年度に行ったパブリックコメントの中では、一番多くの意見が寄せられ市民の皆さんの関心が高いことが伺われました。

 少子化社会をふまえ、「子育てがしやすく楽しいと感じられるまち・はままつ」を基本理念に総合計画が策定され、数値目標を定めて取り組む事業は111にのぼります。
 中でも、保育園の待機児童解消にむけて、保育園の新設をすすめ、平成18年度当初の待機児童ゼロを目標に取り組んでいるわけですが、パブリックコメントの中でも、保育士の質の問題や、子育て経験の有無などがだされていました。単に民間の方が保育にかかる費用が安く済むからと言う理由で、安易に民営化の手法をとるのではなくこのような時だからこそ、公的責任で地域に根ざした安心できる保育の充実が必要ではないでしょうか。

 県内でも出生率が大きく上がっている自治体では、保育施設や、医療費の助成制度が充実しています。研究調査をしている国立社会保障・人口問題研究所では、出生率向上の鍵は行政の積極姿勢であると言い切るほど、行政の熱心さが反映しているそうです。少子化対策としても重要な位置づけとされる保育事業につては大いに期待をするところです。

 障害者福祉については、平成15年度から支援費制度が始まり、障害のある人が自らサービスを提供する施設や事業者を選び、契約をしてサービスを利用する制度に変わりました。身体障害者のホームヘルプ事業をみますと、平成15年度には6千989万円であった執行額が平成16年度では1億2378万円と大きく増えました。
 当初の利用があまりにも少なく、制度の周知が不十分であると考えていましたが、16年度は、担当課の努力もあり、多くの方が利用できるようになりました。
 制度の変更があった時はその内容や利用方法について、十分に説明をすべきです。障害者自立支援法も動き出します。個別の対応も含め、丁寧な説明をすることと合わせ、障害のある方もいきいきと地域で暮らせるよう施策の充実を図るべきです。

 次に衛生費です
 成人保健費の中で、地域健康教育や転ばぬ先の杖教室などを行う、健康教育事業や、健康相談、訪問事業など、保健師と関わる事業が15年度と比較して、大きく後退しています。
 決算審査委員会の中で、母子保健とのかかわりがあり、母子に関する事業が大きく増えると、成人、老人の事業ができなくなる。これはもう、圧倒的に保健師が不足しているといわざるをえません。
 保健師数を調べた静岡県の統計資料では、人口10万人あたり、14,2人と22市中21番目と下から二番目、いかに本市の水準が低いかわかります。合併した旧天竜市は人口10万人当たり22,2人、佐久間町は88人、細江町は32人となっており、きめ細やかな保健予防事業がおこなわれていた鍵になっていました。
 医療費の高騰を抑える意味からも、年をとっても元気でいられるよう、保健師を増やし、母子保健も、成人保健の事業も充実させるよう求めます。

 次に清掃事業について述べます。
 「たかがゴミ、されどゴミ」といわれるように、自治体の事業の中でも、清掃に関することは大変重要です。本市においても、ゴミ10%減量運動はなかなか進まず、その上に、中田島海岸の埋め立てゴミ問題や、新清掃工場・水泳場の建設などの事業が続きます。
 新清掃工場の建設についてですが、平成16年10月に「環境影響評価準備書についての、意見の概要とそれに対する事業者の見解」が出されました。住民からの意見では、県知事から26項目に渡る清掃・環境行政の根幹にかかわる意見が出されたことや、ダイオキシン類の環境測定方法などの意見が出されています。アクト以来の大事業となる新清掃工場の建設について、市民の関心は高かまっています。
 日本では2000年になってようやく「循環型社会形成推進基本法」ができ、資源循環の視点から廃棄物を捉え、資源循環問題を基本にした総合的な行政が進められると期待されていました。しかし、実際には従来型の出たゴミをどう始末・処理するかを中心にすえた政府の姿勢は変わらず、いままでの施設中心のやり方が続いています。
 焼却炉は一度建設してしまうと運転や維持管理に多額の資金が投じられることになり、とりわけ溶融と言う技術には、大きなリスクがともなうため一度事故があればその修復にはかりしれないコストがかかります。そして、施設の連続稼動体制を維持するためにゴミの大量確保が至上命令になってしまいます。
 本来の「循環型社会形成推進基本法」の精神である@ゴミを出さないようにする、A繰り返し使用するようにする、Bリサイクルによる資源の循環をはかるそして、最後に燃料として利用するにのっとったゴミ行政が求められます。
 本市の新清掃工場建設についても市民にとって、安全・安心な施設であるかどうか、環境にあたえる影響は大丈夫なのか、様々な方面から、再検討されるべきではないでしょうか。

 次に農林水産業費です。

 浜松市の認定農業者協議会が16年度に発足しました。市内521人の認定者と各農協組織、市、県の関係機関代表者で組織しています。遊休農地問題や、後継者育成なども論議され、政策提言も行うようになっています。
 合併して農業生産高では、新潟や愛知県田原市に次ぎ、全国3位となっている浜松の農業をどう考えていくのか、本市の農業を背負う大切な組織としてその目的が達成できるよう今後の活動に大いに期待するところです。

 三方原用水費(三方原用水土地改良区)、天竜川下流用水費(金原用水土地改良区)、浜名湖北部用水費(浜名湖北部用水土地改良区)の役員報酬については理事長である・市長、副理事長である・助役、会計理事である・収入役が報酬を受けていました。この報酬の原資は税金です。
 16年度当初予算方針である「政改革を推進する」にのっとり市三役は自ら範を垂れるべきであったと考えます。

 商工費では、何といっても中心市街地の活性化をどのようにはかっていくのか、また、活性化できるのかが大きな課題となりました。
 「市民アンケート」では、現在の中心市街地に市民の半数以上が不満を持ち、「快適で賑わいのある中心市街地」を求める声が4分の1を占めて、市に実現を求める施策の第1位になりました。
 北脇市長も「都心再生戦略会議」の中で、「浜松市は産業や都市間競争で勝てるものを持っているが、弱点は中心市街地である」と述べています。
 16年度では中心市街地活性化対策費として2億2930万円が使われ、様々な事業をしても、その時だけの賑わいであり、一向に市街地が元気になる様子がみえてきません。
 郊外型の大型店をあれだけ野放しに出店させておいて、さあ、今からといっても手遅れ状態なのでしょうが、行政の責任として最後まで住民要望の実現に努めるべきと考えます。

 次に土木費です。

 地震に備えて「木造住宅の耐震改修工事費」を補助するTOUKAI―0事業が前年度に比べて2倍以上の要望があり、259棟が補助を受け工事をしました。
 各地で発生する地震によって市民の危機意識が高まったと言うことですが、実際の補助金額は一般で30万円、高齢者・障害者対策で20万円増えて総額50万です。実際に改修工事をする場合は、かなりの費用がかかるため、迷いながらも手をつけられない方が多くいます。
 もう少し補助額を引き上げて市民の要望に応えられる施策の充実を求めます。

 耐震化の問題では、地震の際に避難所となる、学校・体育館の耐震化率が66%であることがわかりました。何よりも優先して耐震化を進め、子どもたちの安全を確保すべきであると思います。

 消防費では、国基準に対しての充足率について述べます。
 浜松市の国基準に対する充足率は、平成16年度末で、車両合計90,1%、人員では72%です。15年度に比べ、火災や火災以外の消防活動の出動回数が増えています。限られた人数で増加している件数を処理することは、現場ではそうとう大変な状況になっていることだと思います。
 災害に備え市民の命や財産を守る立場から、国基準に早く達するよう急いで人員を増やす手立てを取るべきと考えます。

 一般会計のさいごは教育費です。

 子どもたちの健全な成長を誰もが願っています。全国で、痛ましい事件がおきるたび、心を痛め、どうしたらそのようなことが起きないようになるのか、教育現場でも、地域でも家庭でも、それぞれが精一杯のことをしています。
 そのような努力にもかかわらず、相変わらず悲しい事件や事故が続いています。
 16年度の第1回浜松市不登校児対策連絡協議会では、佐世保での小学校6年生の女子が同級生を殺害した事件も話題となり、教育長も「いつどこで何があるかわからない」また、委員からも「浜松で起きても不思議ではない」との声もありました。
 市内の不登校児らを支援する「ふれあい教室」のカウンセラーからは「最近は状況がかわり、養育者からの虐待、離婚や再婚などで子どもの心がもてあそばれている」「家庭崩壊、生活苦で楽しい経験が全くない子がいる」などの分析も出されています。

 今回の決算にあたり、資料を見ていまして、小・中学校では「日常生活指導補助員」「国語・算数指導支援員」「1年生多人数学級指導支援員」「中学校緊急対応指導支援員」「授業支援ボランティア」など、様々な支援の事業をしていますが、何かつぎはぎで、根本的な改善になっているのか疑問をもちました。
 国語算数の支援員は無資格の午前中のみの体制で、教員との打ち合わせもできず、単独での指導はできません。
 現場の先生はあまりにも仕事が多く、子どもとゆっくり関わりあう時間がない、何ヶ月も土曜・日曜と続けて休んだことがない、授業の準備が十分できない、問題のある子とゆっくり向き合えない、研修研修で追われている、と毎日の学校での仕事の多さを嘆いています。
  
 平成16年度から、都道府県の裁量で学級編成を弾力化できるようになりました。そして、各市町村の要望をふまえた都道府県の判断で、「弾力的運用」少人数学級編成に加配定数が使えるようになっています。その結果、神奈川県でも、16年4月から約90校の小学校1年生学級が35人以下になっています。現行のままでは、40人、40人の2学級80人だったものが、制度変更で3学級26人、27人、27人になり父母や教師から大変喜ばれています。

 根本的に、少人数授業の体系から、思い切って少人数学級に切り替え、教員の持ち時間や、勤務条件、分掌などを見直す必要があるのではないでしょうか。

 以上の理由をもって、認第5号 平成16年度浜松市一般会計歳入歳出決算に反対します。

 次に国民健康保険事業特別会計について述べます。

 先ず初めに、平成16年度国保会計決算では、歳入歳出差し引き額で、11億8千万円の黒字でありました。平成16年度も保険給付費が大きく伸び、国保料の値上げをしなければ運営できないということから、8億4200万円の値上げがされましたがその必要があったのでしょうか。
 
 国保加入者の所得階層は所得なしが加入世帯の24,25%と4分の1を占め、加入者の平均所得が200万円であることなど、圧倒的に低所得者が加入していることはご存知のとおりです。そして、滞納をしている方の約54%が所得100万円未満の世帯であります。国保料は高くて支払えず、低所得者にとってはその負担能力をはるかに超えたものになっています。

 滞納者に対する制裁措置としての短期保険証の交付は3723世帯、資格証明書は335世帯にのぼりました。医療を受ける権利を阻害し、直接いのちに関わる短期証や資格証明書の発行は一日も早く止めるべきです。

 一般会計からの繰り入れを増やせば、値上げをせずに済みます。
 中核市で、一般会計からの繰入金が歳出総額に対してどのくらいになっているか、繰入率の比較をしてみました。平成15年度は35市中下から二番目の繰入率の低さでしたが、16年度では下から9番目まで上がってきました。
 中核34市の平均繰入率は2,1%で浜松市は1,71%、平均の2,1%まで繰り入れを増やせば、36億1500万円となり、あと、6億7千万円増やせます。せめて中核市の平均並まで一般会計からの繰り入れを増やして、値上げを止めるべきだと考えます。お話した場合の一般会計からの繰入金は法定繰り入れ分を含んで計算していますが、
 一般会計からの法定外の繰り入れは平成14年度が12億7500万円、16年度は11億3000万円と大変少ない金額になっていることを述べておきます。

 また、基金についても、当初基金繰入金として8億8600万円計上していましたが、年度末には全額基金に戻していることや、国からの調整交付金についても過少見積りをしていると思われるなど、値上げをするのであれば数字的な根拠について、市民の理解を得られるものでなければなりません。

 医療費を抑えるために、何と言っても病気の「早期発見・早期治療」の観点から保健予防事業に力をいれることが大切です。一日人間ドックなどの総合健康健診の決算額は7569万円が7046万円と後退していることもあわせ、認第 号 平成16年度 国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算には反対します。

 次に介護保険事業特別会計について述べます。

 介護保険は家族介護から社会が支える介護として創設されました。平成16年度は1号被保険者の保険料値上げはありませんでしたが、第2号被保険者である40歳以上の国保加入者には36%を超える大きな値上げがありました。

 平成16年度の介護度別の利用率をみると平均で49,3%になっています。サービスを利用すれば、1割の利用料が必要となり、その負担の重さに利用を制限せざるを得ない状況がある反面、介護者がいない一人暮らしの高齢者や、老人世帯では限度額近くまで利用をしないとくらしがなりたたないケースもでています。いづれにしても、本市では、利用料の減免制度がないために、低所得者にとっては大変な負担になっています。

 16年度の介護保険料の減免は69名で968000円にとどまりました。合併をして適用範囲が広がりましたが、周知についても不十分な状況は改善されていません。

 特別養護老人ホームの待機者は、実人数で旧浜松市で2026人、そのうち介護度が4,5という重い状況でしかも在宅で入所を待っている方が269人もいます。介護される方も、する方も大変な状況だろうと察することができます。

 在宅で安心して介護できるように作られた介護保険制度ですが多くの矛盾の中で、混乱が起きています。その根本原因は国の介護給付費が4分の1と低いことがあげられ、これを2分の1まで引き上げ、誰もが安心して介護を受けられるよう国に強く訴えることと合わせ、市独自の低所得者対策を十分進めることが求められます。
 2号被保険者への保険料の値上げがあったことや、利用料の減免制度が作られてないことなどから認第 号 平成16年度介護保険事業特別会計歳入歳出決算に反対します。

 最後に認第16号 浜松市小型自動車競走事業特別会計歳入歳出決算について述べます。
 わが党は一貫して公営ギャンブルには反対の立場をとっています。平成14年度には若干の黒字となりましたが、15年度に続き16年度も赤字となり経営状況の改善はみられていません。これ以上事業を継続してさらなる損失を出す前に撤退すべきことから 本小型自動車競走事業特別会計歳入歳出決算には反対をします。

 以上をもちまして、私の全ての反対討論を終わります。

(2005/12/1up)


   

平成16年度浜松市一般会計・特別会計 反対討論        2005年11月29日  小黒啓子