トルコの茶の歴史は意外に浅く、1920年に東に位置するグルジアから来た。
しかし、1945年に現在のRizeに移る。
Burusaには現在は全く栽培されていない。国立茶研究所長談
左写真:国の生産量の64%を担うCAYKUR社(元国営企業)の研究所。
中央:Ekrem Yuce (General Direktor)は従業員2万人を率いる。
毎日我々の作業場に顔を出した。
トラブゾンから茶産地リゼは100kmの高速道路で結ばれている。
雨が多く、茶栽培には適している。我々滞在中の一週間に、四日間は雨が降った。
CAYKUR茶業研究所より望むリゼの町並み。
黒海に面したきれいな街である。
このリゼ地域でしか茶は栽培されていない。
気候は、日本の静岡より寒い。冬には雪が少し積もるときもある。一番茶は5月20日頃からである。日本の奈良、岐阜と云ったところだろう。
地中海
トルコ
巨大な揉捻機(800kg)が24台フル稼働していた。
きれいに整備された近代的な工場であった。労働者の影は殆んど見掛けなかった。全自動である。こうした工場を16ヶ所所有している。これだけで日本の全生産量より多くを産する。
10年ほど前から当手ハサミが普及しだした。
日本の山間地以上の急傾斜地が多い。
トルコの茶は紅茶が主力(ほとんど)である。国民一人当たりの消費量は、世界6位の2.1kgである。日本人は800gで15位である。
その数値が正解であることが、トルコを自転車横断した私には分かる。
立ち寄った先では、必ず「チャイ」の声が掛り、何杯ものチャイが出された。一般商店では、三杯までは飲んでも良いが、それ以上飲むと、商品を買うことを意味していることが、後になって分かった。
トルコは現在EUへの加盟を申請中である。現在は準加盟国である。EU圏内には「茶」を生産している国はなく関係者は熱く燃えていた。
トルコを愛する私としては、EU並みの国家水準に早くなることを待っています。
どの街にも喫茶店の「お茶屋」が数多くある。そして、出前で近所の商店へこの様に運ぶ。
店に入れば、直ぐにお茶屋がこうして持ってくる。電話をした気配もなく、店に入るのをお茶屋が見ているのではないかと思う。
取り寄せた方のレジの横に、引き換えコイン(プラスチック)がいっぱい入った箱があり、運んできたボーイは何も言わずに、コインを数だけ持ってゆくシステムである。
一杯の価格は、水と大差ない安値であった。
砂糖だけでミルクは入れない。
何倍でもすすめられ、腹はガボガボ。トイレが近くなるのは当然である。(2010年)リゼにて。
世界の茶の生産量について ソース FAO Statistics |
順位 |
国名 |
生産量(万トン)(2004年) |
1 |
中国(China) |
85.5 |
2 |
インド(India) |
85.1 |
3 |
スリランカ(Sri Lanka) |
30.8 |
4 |
ケニア(Kenya) |
29.5 |
5 |
トルコ(Turkey) |
20.2 |
6 |
インドネシア(Indonesia) |
16.5 |
7 |
ベトナム(Viet Nam) |
10.8 |
8 |
日本(Japan) |
10.1 |
9 |
アルゼンチン(Argentina) |
6.4 |
10 |
バングラデシュ(Bangladesh) |
5.8 |
11 |
イラン(Iran, Islamic Rep of) |
5.2 |
12 |
マラウィ(Malawi) |
5.0 |
13 |
ウガンダ(Uganda) |
3.6 |
14 |
タンザニア(Tanzania, United Rep of) |
2.6 |
15 |
ミャンマー(Myanmar) |
2.5 |
16 |
ブラジル(Brazil) |
2.3 |
17 |
ジンバブエ(Zimbabwe) |
2.2 |
18 |
グルジア(Georgia) |
2.0 |
19 |
ルワンダ(Rwanda) |
1.4 |
20 |
南アフリカ(South Africa) |
1.3 |
|
|
|
茶の国別消費量(上位10カ国)
順位 |
国 名
| 消費量(万t) |
|
順位 |
国 名 |
1人当たり消費量 |
1 |
インド |
75.4 |
1 |
イラク |
2.40kg |
2 |
中国 |
58.8 |
2 |
アイルランド |
2.35kg |
3 |
CIS諸国 |
23.2 |
3 |
リビア |
2.28kg |
4 |
日本 |
15.0 |
4 |
イギリス |
2.17kg |
5 |
トルコ |
14.3 |
5 |
クウェート |
2.05kg |
6 |
イギリス |
13.0 |
6 |
トルコ |
2.01kg |
7 |
パキスタン |
12.5 |
7 |
カタール |
1.97kg |
8 |
アメリカ |
10.2 |
8 |
シリア |
1.63kg |
9 |
エジプト |
7.4 |
9 |
モロッコ |
1.58kg |
10 |
イラン |
6.4 |
10 |
アフガニスタン |
1.56kg |
|
|
|
|
15 |
日本 |
1.18kg |
ITC統計2004-2006
トルコは茶の大国です。生産量22万トン(2009年)。日本の2.2倍。国民一人当たり消費量2kg。
2005年に続き、今月2010年9月に日本製設備の納入に行って来た。
我々メーカーには、ユーザーの守秘義務があり、余すところ伝えれないが、許される範囲で、トルコの
茶を紹介しよう。最終下段に数値表を添付した。
茶産地リゼに行くのには、イスタンブールから国内便で2時間ほどで黒海南岸トラブゾンまで空路で入る。
このトラブゾンは私の長年の憧れの町である。 1293年に中国からベニスに帰るマルコポーロが船に乗った
港である。左:写真はそのトラブゾン港。昔の面影は無かった。 右:黒海を一望できる町中のしゃれたハウス。
我々の設備を引渡し後、施主の研究所、補助したトルコ農業省本省研究官達と茶園の見学に出掛けた。
急峻な山並みはどこまでも茶園が連なっている。
イスラム国であり、モスク(ジャミー)が尖塔を聳え立たせている。
Saziye Ilgaz
Dr.Turgay Tuma
Dr. Sena Saklar Ayyildiz
Ferda Seyhan
風呂敷で葉を運ぶ。畝がなく、掻き分けて入るのも大変。肥料なぞやれる状態でない。当然有機になる。
折り悪くラマダン(断食)に出くわした。お茶やでも人影が少ない。トラブゾンで 2010年9月4日
netto
集落のあちこちの生葉集荷場
紅茶工場に着いた生葉を積んだトラックからの荷下ろしは、コンベヤに掻き落すスイーパー。
大型ローターバンがあった。
スリランカだけかと思っていたが、トルコにも有ったとは驚いた。
トルコにもあった緑茶ライン
ラマダン「断食」は夜七時まで水も飲めない。
CAYKURの幹部が揃い、夕食をご馳走になった。
しかし、イスラムは普段でも禁酒であり、何と味気ないパーティーである。
アッラーアクバル(神は偉大なり) Sep 5th 2010
車窓からの紅茶工場のスナップ。
燃料は石炭が今尚主流である。
トラブゾンーリゼ間には、こうした紅茶工場が数多く並ぶ。
紅茶の年間生産量22万トンであるが、ほんの少しの蒸製緑茶を作っていた。ほんの少しと言っても、とんでもない生産量である。詳細については省略する。やっと見せてもらったもので、守秘義務で写真アップのみ。