朽ち木のモニュメント
漠然とした憧れを抱いて登った、
縄文杉への道。
幾千年を生き続けるという、老杉の数々。
森に満ちる神霊の気配。
しかし、
谷に潜む「朽ち木」の群れに遭遇した時、
それらの、うめき声を聞いたような気がした。
降りそそぐ雨。
土になるまいとする執念。
まとわり着く雑木。
寄生根とのたたかい。
ひき継ぐべき杉苗の陣地。
死守しようとする姿。
まさに、弁慶の断末魔を見る思いがした。
銘杉の陰で、
ひっそりとその役割を演じている、
「朽ち木」達を探して、道を歩いた。
小杉谷にて