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ちょっと川柳

月2句静岡新聞の文芸欄に投句・ 赤字は掲載・数字は投句した年月です



痛み止め効いているらし高鼾(いびき) 
 佳作 270428

テレビでは空爆とテロイチゴ食べており

腕白の子が子をのせて猫車

遊ぶこと嫌いとみえる朴念人

説法を聞き終えてから賽銭を

遅刻して一番前に座る羽目 26年10月 佳作

トラクター買って年金消えにけり

鉦叩き演歌に合わす名調子

黙しをりいつものことよ八月は

ほんとうは眼病怖しサングラス

昼寝して短い夜の穴を埋め  2607佳作

不利なときここは黙って下をむき
   2607


診察室の狂ってる体重計  2606 入選

田舎にもLEDの街路灯       2606

石段の先が見たくてまだ上る    2605

縄文杉ふれて命を戴きぬ      2605

簡単に振り込むほどの金欲しや    2604

二円ほど増えたはがきの重さかな   2604

ガソリン代値上がる時にばかり入れ    2603

支払いに一円足りぬ小銭かな      2603

鶯餅鳴かぬつもりでいるらしい   2602

山にある茶の大文字は杉並木  2602

些細なる事も許せぬときもあり  2601

今はもう無事の一言あればいい 2601

世の中をなめて辛さを知りました  2512

言訳をすればなおさら泥沼に  2512

重き荷がなかなか降りぬ老いの道  2511

安全は百パーセントと記者会見

心経の無い無いづくしワカラナイ   25年10月

いうなれば真面目人間早く老い


変えられぬ老いの性根に注ぐビール  25年08月925新聞入選

性根とは腐る食べ物気をつけて 

冷麦をすすって人と争はず   25年07月新聞 入選

これ以上なし湯上りの扇風機

鯉幟絶滅危惧種かもしれぬ  2505月新聞 佳作

行き先がなくても泳ぐ鯉幟 

豊かになって貧乏になる心 25年04月

人毎によく解らない裏表 

自分だけ若いつもりのクラス会  25年03月

さくらさくら会いたい人は会えぬなり
 

釘打てば曲がる機嫌の悪い時 25年02月

昔とは携帯電話持たぬころ 

原発のどこもかしこも活断層 25年01月

挨拶は暑さ寒さでことたりる   


世の中を軽く生き抜く術欲しい

懐手言いたき事も言わぬべし

あの世とは無いかも知れぬ冬の星

正論の崩れし夜の星仰ぐ

とりあえず笑って逃げることとする

自分のことばかり喋って帰る人

青田波日本人よ米を食へ

花咲かせ広々とある田んぼかな

カーナビで時々迷う道のあり

ああ言えばこう言う人に負けました

夏の夜の戦争語る人の減り 
24,8,28 静岡新聞読者文芸 第一席

明日また散らかすからと片付けず

生きるとは生き抜くことと教えられ
24,7,31静岡新聞読者文芸秀逸

放送の俺おれ詐欺の注意報

新しき朝が来るなり未来から

話し好き家じゃ無口な父であり

訳ありの湯呑みに残る傷の痕

要らぬ物ばかり多くて道具箱

まどろみは老いの特権かもしれぬ

永遠の眠りを恐れ不眠症

プレハブの客の列なすラーメン店

ストレスの消えれば老いの忍び寄る

引っ張ったり突き放したりする絆 
24,2,28静岡新聞読者文芸秀逸

幸福度テストしてみる不幸癖

喧嘩して正論いつも泣かされる

ひび入りの湯呑みを捨てず使ってる 

見た目には仲良く見えるふたり旅  
23,12,26静岡新聞読者文芸佳作

アナログの未だに残る電波塔

ちょっと出た腹を叩いて苦笑い

来ぬ人のなぜか気になる同窓会

味噌汁の匂いがたまに鼻に付く

借物のことば集めて趣味となり

俎板の鯉となったか病衣着て

恵みから恐怖に変わる雨となり

大津波おのれの悩みすべて消え

殆どは読まずに廻す回覧版

黙祷で始まる地区の定例会

原発と直線距離を測ってる 
23・7・26静岡新聞佳作

退屈は慣れないうちは苦痛なり

性別の解らぬ人のよく笑い

じっくりと楽しきことは老いてから

まだ若いと思う自分に寺の役

あかぎれに背中を掻いてもらってる

いい人と言われ少々腹が立ち  
23・4・26静岡新聞佳作

年ごとに変わる国首や建国日

夜の更けてサッカーを見る無職かな

まだ残る冬至過ぎてる南瓜かな

適当に不幸でいたい夜もあり  
23・1・25静岡新聞佳作佳作