My Favorite 63



世の中、上には上があるものです。
上を見たらきりがないオーディオの世界、でも一度知ってしまうと・・・。
先日、ASCの録音会(広島)にお邪魔した際、デンさんの試聴室で鳴っていた
モダンショートPerformance6/Dentecがエージング中にもかかわらず、
なかなか良い感じで鳴っていました。
その装置に取り付いていたのが写真下の白いデジタルケーブルです。
青い方は、今まで使っていたデンテックSDC-CMS-0.5mをアルチメット処理した後にノイズカットメタルNCMを巻いたSDC-CMS-N/Ultimateです。これで十分満足していたのですが
これを交換するだけで今までにない音楽表現を体験することが出来ます。

SFDIF(SONY PHILIPS DIGITAL INTERFACE)の弱点を見事に解決したディジタルケーブル。
特殊構造により、ジッター(位相歪)をも低減させます!とちょっと挑戦的なキャッチフレーズですが商品名は、ジッターイーター(Jitter Eater)、型式:SDC-ST/1mです。
ソニー・フィリップス・デジタル・インターファースの弱点とはいったいどのようなものなのか?
ベルトドライブのCDプレーヤーで有名なCECのHPでは、『SFDIFは、オーディオデータと制御のためのクロック信号を1本のケーブルで伝送するため、原理的に信号同士の干渉から生じるジッターの発生を免れることができません((中略)。規格自体がかなり古く、クロック・エンコーディングにバイフェーズ・モジュレーションを使用しているため、原理的にジッターの発生が不可避であるという致命的な欠点がある』と断言しています(関連HP↓)。
http://www.cec-web.co.jp/technology/super_link.html

このことに気がついて独自の規格を作るとは、すばらしい勇気と熱意です。
ただ残念なことに、この弱点を克服するために開発されたCECスーパーリンクのD/Aコンバータは
限定数量販売中の同社DX71mkIIしか紹介されていません。
どんなにすばらしい規格もデファクトスタンダードにならないと普及しないのは世の常です。
このままでは、絶滅寸前です。スーパーリンクとは違った角度からこの欠点を克服した
ジッターイーターの秘密はコネクター付近の膨らみのある部分に隠されていますが詳細は??。
でも、その音を聞いたら、もう最後→後には戻れません。



我家のシステムは、このケーブルを試聴するまでは
これ以上何を求めるのかという状態でした。これまでの様々な改善が実を結んでいましたので
デジタルケーブルを交換するだけでそれほど効果がないだろうと高をくくっていました。
でも、上述の通り現状のデジタルケーブルではジッタが必ず発生すると言われては
心中穏やかではありません。おそるおそる試してみた結果が大正解だったと言うことです。

デジタルケーブル試聴の結果を、一言で表すと、音が部屋全体に響き渡る感じが
より自然になった印象です。
変化の方向としてはスーパーツイータを取り付けた時の状態とよく似ていて
超高域を付加したのに低音がスッキリと力強く、音が部屋全体に広がる。
響きが豊かになる印象。

まず最初に感じたのは、低域の量感が増すとともにローエンドが
更にのびて、音像がクリアーになる、実在感が増す。
時間とともに音量が上がるように感じられること。

最近、はまっているイタリア合奏団/ヴィヴァルディ「四季」では、
付帯音が減ってこんなにきれいな録音だったのかと感じています。
バイオリンの音については、切れがあるのに艶やかで柔らかいという
相反する表現を両立させています。
楽器が持つ本来の音が出てきているようです。
曲中に出てくるコントラバスも弾むように軽やかで良い仕事をしている感じです。
 

ヒラリー・ハーン/バッハ/ヴァイオリン協奏曲集の10曲目オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調では、木管楽器の透明度が上がって聞こえます。


こちらも最近はまっているマリア・ジョアン・ピリスのシューベルト即興曲集では
ピアノのタッチが軽やかで引きずる感じがせず、ピリスがさらりと
弾いていますがフォルテッシモで音が薄くなるようなことはありません。
(力強く弾きずる感じが良いという人には物足りなさを感じるかも)
このあたりの表現は、音の志向で好き嫌いが分かれるかも知れませんね。


取付後30時間位を過ぎたあたりからエージングが始まったように感じましたが
エージング中なのに今回の変化した部分の音だけで楽しめます。
この状態でASCの最新確認音源(DSD録音)「dear Monk」を聞きました。
http://www.net-asc.com/index.html
新鮮さが増した印象で、10月9日の録音現場を思い出しました。

音の表現で、目をつむればスピーカーが消えると言われますが、
我家では、演奏者が目の前に居るのに目に見えない、
見えるはずがないのに音源を目で追っかける不思議な状態です。

このケーブルでなければ絶対出てこない音があります。
ジッターイーター無くしてCDフォーマットを語る無かれ。
自然な音の表現には魅了されるはずです。

お父さんの小遣いで買うにはちょっと高いケーブルですが
投資しただけの価値は十分あると思います。
このすばらしい音を自分だけで聞くのはもったいないので、
近所の皆さんを呼んで、お聴かせしたいと思います。
今回もすばらしい発明を世に出していただきありがとうございました。