◆ アンケート結果 全国各地での立志式の実施状況や開催による効果、問題点等について知るために、47都道府県および13政令指定都市の教育委員会あてにアンケートを実施しました。回答では、教育委員会として調査、把握をしていないところもありますが、実施しているところも多く、愛媛県や宮崎県のように全県的に実施しているところもあります。開催内容についても、それぞれの地域で特色があり、開催による効果や問題点は、これからの活動にあたって大変参考になるものとなりました。
実施時期 平成16年8月 対 象 47都道府県および13政令指定都市の教育委員会あて
回 答 都道府県 29都道府県 、 政令指定都市 8都市
◆ 結果の概要 O 立志式または立春式等の実施 学校の週5日制や学校行事の縮小により実施する中学校が減少しているものの、全国の多くの中学校で開催されています。特に、栃木県、愛媛県、宮崎県、熊 本県、石川県では全県的に開催されています。 ・栃木県…178校中、166校で実施。 ・愛媛県…155校中、145校で実施。 ・宮崎県…149校中、133校で実施。 ・熊本県…199校中、110校で実施。 ・石川県…ほとんどの学校で取り組んでいるが、実数については把握していない。 長年実施している学校の歴史 年間行事として定着している学校も多く、40年以上開催をしているところもある。 10〜40年継続して実施している状況が見られる。学校・生徒・親の実行委員会で企画されたり、青少年育成会議と連携して行われている。立志式の由来や意義についての話、記念活動(講演、植樹、登山、マラソンなど)、作文などの取り組みを実施。(熊本県) 開催の形式について 入学式や卒業式と同じように学校行事として、生徒、教職員、保護者、地域の方々の出席のもとに開催されているところが多い。式典として、立志についての学校長の話、生徒による誓いや意見発表などを行い、記念行事として、講演会、合唱、植樹、ボランティア活動などを行う形式が多い。
l 親への手紙、親からの手紙を書き、チャレンジウォークのゴール地点等でその手紙を読み、意見を交換し合っている。(愛知県) l
立志の集いを2日間実施、1日目は保護者とともに町の清掃ボランティア活動を行い、2日目は生き方について考える式典を行う。立志の船自然教室の実施。(茨城県) l 立志式登山の実施、保護者へ感謝の手紙を直接手渡す。(宮城県) 特になしとの回答が多かった。 立志式を迎える中学2年生と地域の還暦の方を中心に「還暦・立志式」を開催。地域の方との交流の一環であり、人生の先輩方との交流を通して将来展望の一助と する。(佐賀県) 10年後に二十歳を迎える小学校4年生を対象に、これまでの自分を振り返り大人や将来について考えるきっかけとなるような取り組みを全市的に小学校単位で「1/2成人式」を開催。成人式での受付を担当したり、大人について考えたり、成人の日の意味について考える取り組みを行っている。(京都市) 特になし、把握していないとの回答が多い。 開催による有益な点 「今までの自分を振り返り将来について考える良い機会となり、目標に向かって学校生活を送る意欲が高まる。」「子どもの成長を知る機会となり、生徒、保 護者、職員の良好な人間関係づくりの場となっている。」等の意見が多い。 ・生徒、PTA、地域の方々より評判が大変よく、実施校増加についても県民の反応は良好。(宮崎県) 開催に関しての問題点 授業時間数確保のため立志式の事前事後指導の時間数確保に苦慮しているところが多く、記念行事として行われる講演会等の講師の選任や確保の難しさが挙げられている。
開催上の問題点 ・ 立志式の本来の意義等が十分考慮されないまま集団宿泊的行事(スキー学習等)の一部として扱われるなど立志式の有り様にも変化が生じている。 (栃木県) ・ 生徒の意識を事前にある程度高めておく必要あり。(熊本県) ・ 授業時間数の確保などに伴う時期と時間の確保の問題。(熊本県) ・ 記念植樹の場所の確保が難しくなっている。(熊本県) ・ PTA行事として実施している場合、保護者の負担が大きい。多くの保護者の参加も促したいが、平日開催なので保護者の参加が少ない。(熊本県) ・ 不登校、不登校傾向の生徒に対する配慮が必要となる場合もある。(熊本県) ・ 屋外の活動は天候の影響を受け易く、2,3月は行事が沢山あり、日程変更が難しい。(愛知県) ・ 事前事後指導を通して進路指導の充実を図り、最終学年の指導に結びつけていくようにすることが課題である。(宮城県) ・ 伝統的な行事として定着しており、廃止や大幅な内容変更等について提案しづらい。(宮城県) ・ 現代という時代の風潮の中で育っている子どもたちに、武家社会の時代の精神を意識させ理解させることは難しい。(福島県) ・ 諸準備を考えると開催時期が難しい。生徒数の減少により、文集作成の予算が減少し、内容や方法を再考しなければならない。(福島県) 影響上の問題点 ・ 生徒が発表した内容に対し、不利益が生じないように教師の事後観察・指導が必要。(熊本県) ・ あこがれや夢に終始し、現実的でない発表も見られる。生徒一人一人がより具体的な進路目標を持つことができるように、1学年からの進路指導の充 実が課題である。(宮城県) 予算について 把握していないところ多く、自治体、教育委員会として予算計上しているところは1件のみであった。 白井市立春式事業交付金要綱に従い、立春式式典事業、各種体験事業(自然体験、職業体験、ボランティア体験など)、記念文集事業に対し、7万円+中学2年生生徒数×600円を限度として補助金を交付。(千葉県) |
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