3番澪筋9番ポール         

 秋半ばの10月下旬頃より風が強くて釣りにならない日が少しずつ増えてきます。浜名湖奥カメ辺りでは風があっては最適なポイントに船を留められません。仕方なく風を避けて岸近くにまで移動します。新場澪筋などで、北西に岸辺を背負った状態で風を避け南東に竿を振り出すのがベストの係船です。しかし、岸近くで竿をいくら振っても雑魚しか付きません。浅場はこの時期18℃、夏に比べて10℃程その水温を低下させています。クロダイ等は既に外海の潮の届く湖南方面に落ちてしまっています。
 風の影響を避けつつクロダイの魚影を追うのなら、この時期、3番澪筋9番ポールがお勧めです。ここは主要航路沿いで潮通しも良い上、カケアガリを持った深場もあって、
奥浜名湖から落ちて行くクロダイの良き溜まり場所となっているからです。ここで揚げたクロダイの胃袋から太い弁天ジャムシが出てくるのを見ると、ここが外海に落ちて行くクロダイにとって恰好の給餌場所となっていることが分かります。引き潮時に潮のヨレる新場水路の緩いカケアガリで数日間荒食いを続け、体を一回り大きくした上で今切れ口へと向かうのでしょう。ここでは型の良いクロダイが複数揚がります。
 小潮の下げ時、クロダイを刺激しない様に北西よりエンジンを止めて進入します。バウのみの1丁錨で静かに「ポチョン」と投錨し射程距離内にそうっと近付き、新場1番ポールと中央9番ポールを結んだ線上の西から1/3の位置に船を斜めに掛けられればベストポジションとなります。風向きと潮の流れが一致してポイントへと仕掛けを上手く送り込む事が出来ます。
 夜の10時前後にくる潮止まりまでが狙い目です。対岸の車が減ってヘッドライトが気にならなくなる9時頃より俄然雰囲気が出てきます。競艇場のシグナルが点滅に変わり、岸辺の釣り人も帰り支度を始めます。行き交う船も無くなって辺りに人の気配が無くなれば湖上に居るのは自分一人、舞台は出来上がりいよいよフィッシングの始まりです。こまめに餌の点検をしてアタリを待ちます。さざ波が適度に立っていればクロダイの警戒心は緩んでいます。荒食いがある筈です。間違いなく乗ってきます。期待値はどんどん高くなって、迎えた潮止まり、期待通りクロダイの3年物が揚がります。

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