1番澪筋13番ポール         
 キビレの溜まり場所として有名な1番澪筋13番ポールに急ぎます。久し振りにやってきたキビレポイントは、台風を前に雨で荒れています。陸上もB'のライブで大混乱、夜空には警戒のヘリコプターが爆音を轟かせ旋回しています。こんなコンディションでは釣りになりません。
 コンディションが悪い故に、普段出来ない広域の調査が実施出来ます。キビレシーズンの9月末と言うのに遊漁船は一隻も見当たりません。辺り一帯は貸し切り状態、誰もいない湖上にビートの効いた強烈な音楽だけが響いています。時折の原色の光りは浜名湖大橋をシルエットにして浮き上がらせ、普段釣り師が腕を競う13番ポール周辺は別世界となっています。誰にも邪魔されない豊かな時間が流れます。
 気が付くと21時を回っていました。ヘッドライトの灯りで急いで海図を仕上げます。広くて浅いお盆の様な湖底の存在が垣間見えてきました。深度3mと均一になった楕円形の凹部が魚を溜めています。この凹部は
各澪筋・水路の合流点に当たり、一号・二号・村櫛・庄内・料金所の5つの航路を集めています。複雑な地形はその上を流れる潮にヨレ目を作り魚の良き生息地としています。特に北西側の周縁部が複雑な地形となっていて、そこは湖内有数のキビレポイントとなっています。湖底はカキ殻で埋め尽くされていて地虫や甲殻類が豊富に生息し、荒食いをするキビレの給餌場所として申し分ありません。ノッコミ・散開・オチの何れの時期においても安定した釣果を約束してくれるのは、いくつもの好条件が重なっていたからに他なりません。
 中潮の上げ時に特に釣果が上がります。二号水路の航路標識がある橋桁から西に2本目の橋桁の北70m程の所に係船します。目前の25m先に南北に延びる角建網があればベストポジションとなります。自船が航路上に押し出されていない事も確認してから竿を出します。北に竿を振り出して角建網の南に仕掛けを投入すればカケアガリのポイントに錘が留まります。ポイントは以外と狭いのでミヨシとトモとで釣果に差が出たりします。そんな時は東に一隻分ポイントをずらしてみます。
 餌はエビ類に分があります。虫類ではカニによる餌取りが気になりのんびりと釣りが出来ません。特に小潮時ではすっかり餌を取られた上に持ち込みによるネガカリが頻発しストレスが溜まる一方となります。潮が緩い時にはエビ類で探るのがベストでしょう。エビを砂に潜らせない為、時折仕掛けを引いて湖底から離します。置き竿では竿先を余り出さないで、ラインガイドを船縁に当ててアタリを待ちます。キビレの強烈な引きに対処する為ですが、ロッドキーパー等を使うより極めて簡単な方法で竿が流されるの防げます。悔しい思いをする前に一度お試しあれ。無事にキビレが竿に乗ったら糸をフカセない様にして取り込みます。

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