カキ拾い         The 食   カキの姿焼き

 2月11日(金)浜名湖内の庄内湖での落ちガキ拾いは今が旬。冬場が美味しいのには理由があります。カキは岩礁に生息する生き物ですので潮の引いた数時間は栄養補給無しで過ごさなくてはいけません。その為、長い間の内に体内に栄養源としてのグリコーゲンを蓄える機能が備わるようになりました。カキを開けて見ると白く見えるところがグリコーゲンです。そのグリコーゲンが多く蓄えられている時期がカキの美味しい時期なのです。カキにはマガキと岩ガキがありますが、養殖用のマガキから派生した落ちガキは春から夏場にグリコーゲンを消費して産卵するのでその時期はあまり美味しくありません。浅海に生息する岩ガキならば長い期間を掛けてゆっくりと産卵するのでグリコーゲンはさほど減っておらず夏場でもそこそこ美味しく食べられるのですが。
 湖南で浚渫が幅広く行われ落ちガキが姿を見せなくなってから、そのポイントは北に移動してきています。今回は釣り仲間の神戸丸に便乗しての庄内湖でのカキ拾いです。潮時表と相談して8時20出航、冬とはいえ暖かな陽光が6人を迎えてくれます。
  

 伊佐地川から7分程で庄内半島東のカキ棚に到着。出荷前の身入り場として活用されたこのカキ棚は、出荷後とあって今や実に閑散としています。しかし、寂しくなったカキ棚の湖底を見ればあるわあるわ、碁石の如く落ちガキが。今や浚渫の進んだ湖南では決して見られない光景です。嬉しくなって拾う準備に力が入り船上も賑やかになります。しかし、拾い上げてみると殆どがカキ殻でした。辛抱強く選り分け作業を続け身の詰まったカキだけを集めます。カキ殻の中には小魚や小蟹・釣り餌の弁天蛇虫が多く混じっています。時が経つにつれ小動物の増えた船上は、子供の喜ぶ声と共に何ものにも代え難い豊かな時間に支配されていきます。
 落ちガキの程よい収穫には1時間程の労働が必要ですが、皆さん明るくあっと言う間の楽しい一時となりました。写真右は船上での収穫祭の様子です。穏やかな湖上で満足感に包まれ、カレースープ・野菜スープ、おにぎり等で疲れを癒します。

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