弁天ジャムシ掘り 弁天蛇虫掘り用スコップ        弁天蛇虫選別台

 

 

 

 

 

 

 8月13日(水)釣り仲間とその息子さんとで虫捕りに出掛けます。虫捕りと言っても海の中、あの弁天ジャムシ捕りです。
 弁天ジャムシは、”弁ジャム”とか”赤”とか呼ばれて親しまれている超人気の地元産の釣り餌です。新鮮なものは透明な体液に包まれていて、透き通って見える赤の体色と頭部に多い蛍光色が”赤”に恥じない威厳を釣り人に示します。見るからに美味しそうな餌で、実際、対象魚を選ばない万能餌としてこれまで浜名湖の名だたる釣り大会に於いて数々の実績を挙げている折り紙付きの極上品です。
 輸入物の青ジャムシと比べて厚肉で針を刺すと硬直する弁天ジャムシは、自在に調整出来る垂らしから魚の針掛かりの良さはNo.1、キビレやクロダイといった歯を持つ魚を対象とした釣り師に特に好まれています。魚にとってその誘因性はかなり高く、視・触・臭・味の何れの感覚をも強く刺激させるようで素早く餌付かせることが出来ます。他の餌と比べその釣果は群を抜き、一度使って病み付きになる釣り師が後を絶ちません。
 この浜名湖特産の弁天ジャムシは日持ちが悪く保存が利かないというのが玉にきず、いくつかの実験を繰り返してみましたが人工の環境下で生かしておくのは至難の業でした。青ジャムシのように冷蔵庫にしまって置いても、たちまち使い物にならなくなってしまいます。絶対量が少ない上に鮮度が命ですから釣りのメッカ浜名湖では引っ張りだこ、夏場の釣りシーズンには品切れ状態の店が続出します。釣り餌店と契約した個人採集業者はフル回転で弁天ジャムを掘りますが、自然が相手、どうしても日によってその採集量に違いが生じます。時には一本200円程の売値になってしまうこともあり、「おいおい、こんなに少ないのか。」と嘆く声が店先で囁かれることもしばしばです。居並ぶ釣り餌店はその質と量を競うことになりますが、中には”弁ジャムシもどき”を堂々と売る店も現れる白熱振りとなってビギナーには頭を悩ます時期となります。
 弁天ジャムシをキープ出来るかどうかが釣り師のステータスともなっている現状を見ると何か悲しいものが過ぎります。何年か先に必ず訪れる老後にはのんびりと釣りを楽しみたいと思っているのですが、出来ることなら、仕掛け作りから始まって餌を自前で調達し釣り揚げた魚は自らさばき料理するという、そんな自己完結型の美しく枯れた釣り師になっていたいとつくづく思ってしまいます。釣り仲間の誘いを受けて今日はその実践日となりました。お盆でもあり殺生は控えなくてはと思いつつ、この程度ならと出掛けて参りました。花博の準備に忙しい庄内半島に近いとある浅場で早速弁天ジャムシを探します。道具は何れもお手製のもの、改善の余地は大いにあるものの楽しく掘ることが出来ました。収穫量は公表出来ない程惨めでしたが、ま、満足したことは事実ですので良しとします。(写真の弁天ジャムシは3日後再トライして確保したもの)

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