アサリ掘り  アサリの潮汁        
「おはようございます」の声にアサリの潮汁、磯の香りが堪りません。そんな忘れられない旅の思い出はどなたにもある事でしょう。爽やかな朝を我が家にも再現したくて、8月26日、大潮の干潮時に合わせて浜名湖へアサリ掘りに出掛けます。民宿で出てくる様な大きなアサリはなかなかお目にかかれません。苦労を重ねて遂に写真の様な大きなアサリを掘り当てる事が出来ました。
 年によってアサリのポイントは変わっていきます。いきなり掘りに行ってもなかなか満足のいくアサリには巡り合うことが出来ません。数少ない有力なポイントは4月頃までには大方掘り尽くされていますから、夏場のアサリ掘りで大粒を確保する事は至難の業となります。
 コツは、春先から日数を掛け今年のポイントを絞り込んでおく事です。漁業者と違い遊漁者は道具を使うことが出来ないので、効率的な手堀りをする為にはポイント選びがとても大切となります。試し掘りを繰り返して「このポイントには必ずアサリがいる」と自信を持てる様になるまで春の内に候補地を絞り込んでおきます。砂地であって適度な栄養が含まれている湖底、つまり「少々黒っぽい砂地」が候補地になります。そんな所には僅かに落ち牡蠣も生息していますからそれを目当てに船上から探すのも良いでしょう。試し掘りをして足の親指大のアサリがいれば合格です。その場所が人に荒らされにくい所なら夏場には大粒のアサリが大いに期待出来ます。
 身が充分に入る5月と10月がアサリの旬です。気候から見れば夏場がアサリ掘りのシーズンです。夏休みの余暇利用としてアサリ掘りをする人が多いのです。沢山の人がアサリを掘り続けていた為、目を付けておいたポイントもかなり荒らされている筈です。当てもなく掘ったのではアサリは殆ど見つかりません。面倒でも湖底の状態を見極めます。潮汁に出来る位の大粒が必ず取り残されている筈です。周りに比べてほんの少々浅くなっている所を探します。そこが手付かずに残されている場所なので歩き回って探します。慣れると足裏の感覚で分かりますのでお試しあれ。手付かずの場所を見付け出す事が出来ればしめたもの、そこは半畳程の広さがあれば良いのです。30分程で家族分の大粒アサリを確保出来るでしょう。
 夏でもクラゲ対策は必要です。長ズボンに長袖シャツそして軍手と全身をくまなく覆ってから海に入ります。気持ちが良いからと海水浴スタイルで海に入っては後が大変です。クラゲに刺された痕はミミズ腫れ、1ヶ月程も痒みが取れない後悔の日々が続いてしまいます。クラゲ対策が出来ていれば肩まで海に浸かっても大丈夫、自分の決めたポイントの湖底を指先で掘り崩しアサリ鉱脈を探します。鉱脈を無事発見する事が出来たら、潮の流れを利用した省エネ工法で掘り続けます。中腰になって掘っている手の肘を内股に当てた状態で背中を潮に押してもらうのです。驚く程楽に掘れますからこれも一度お試しあれ。潮が満ちてきて指先が湖底に届かなくなったら終了です。家族が食べるだけあれば充分、県規則に基づいて殻長2cm以下のものはリリースし大粒のアサリだけ持ち帰ります。

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