失策道                   周防 元水 
 パソコンが身近になって、まだ10年にもなりません。にも関わらず、もうパソコン無しの人生は考えられない程、社会に浸透してきています。日進月歩とはこの事だとばかりにパソコンを中心に、世の中、目まぐるしく変化し続けています。チラシを見れば必ずといっていい程”激安パソコン”が目に飛び込んで消費者の心を擽り、パソコンショップに行けば駐車場はいつでも一杯。私たちはこの事態に右往左往、人が集まれば必ずと言っていい程パソコン談義が始まるのです。こんな光景を見ていると、学歴社会がいつのまにかパソコン歴社会になってしまった、とつい思ってしまいます。パソコンに強い人が世の中を動かしていく、そんな社会が本当に来てしまいそうな勢いを感じるのです。
 「冗談じゃない。学歴社会もいやだがパソコン歴社会も御免だね。お断りだね………だがね、あの巨大な自動車産業をあっという間に追い越したコンピュータ産業の飛ぶ鳥落とす時代の勢いには誰も勝てやしないからな。う〜ん。なるようになるしかないか。パソコン研修とやらもそれなりに受けて流れに乗り遅れない様にしないとな。」
 ま、こんな感じで、カチャカチャと音の出る自己満足的で非生産的な作業に貴重な時間を費やし日夜ご苦労されている私の様な人種が、今、増えてきているのです。これはもう社会現象ですからとやかく言っても始まりません。ただ、どうにかならないか、そうは思います。流れに乗っていけば楽なんでしょうが、やってもやっても次々に新しい事を覚えなきゃならない、何か踊らされているようなそんな気がして、「パソコンごときに誑かされて情けない。」と心の中で強がって見せる今日この頃なのです。
 ほとほと自分には呆れるのです。私の人生返せっていうことになりはしないか心配なんです。それで早い内に手を打つことにしました。パソコンモンスターの化けの皮を剥いでやる、そして安心して眠ることができるようにしよう、そう思い、自作パソコンに手を出しました。ミイラ取りがミイラにだって! う〜ん、ま、いいか。よかったらどうぞご一緒下さい。

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