「リラックス」の呪縛

 アドバイスの効き目
 
「力を抜いて打ちなさい。」、「クラブヘッドの重さを使ってボールを打ちなさい。」というアドバイスに添って打った打球は、それまでと一転して生きたボールに生まれ変わります。何故に生きたボールになるかと言えば、言うまでもなく、高いヘッドスピードで飛球線に対して直角にスウィートスポットにボールを当てられたからに他ありません。歪まないフラットなスイングプレーンと高いヘッドスピードを保障することを目指した具体的で分かり易いアドバイスになっているのです。
 ところがコースに出てみると、このアドバイスの効き目はそう長くは持ちません。始めの内は、素晴らしい飛球線を描いて白球が山野を飛んでいくので、「これは嬉しい、力を抜いているのがいい、今日は最高。」とばかりに数コース足取り軽く回ります。しかし、やがて、ロングコースに入ると、ちょっとしたダフリがパーオンを妨げ、そしてアプローチミスを誘ってきます。「力を抜いて、リラックス。」と心の中で何回もつぶやくのですが、様々な癖が顔を出し始めチェックポイントが増えていきます。18ホールを終える頃には「あ〜あ、こんな筈ではなかったのに。」と、自分の不甲斐なさを嘆き苦しみ足取りは重くなってしまっています。もう、そろそろ、私たちはリラックスを追求するだけのスイングでは多様なコースを攻略出来ないことに気付くべきなのです。
 
「リラックス」の呪縛
 リラックスしたスイングというのは、フラットなスイングプレーンと高いヘッドスピードを持つスイングの事でした。しかし、この理想のスイングは、コースに立ちはだかる様々な障害で無惨にも砕け散ってしまうのも現実でした。それでは、インパクト重視の従来のスイングに戻ればいいのでしょうか。否、目指すものに誤りはありません。リラックス出来なかった自分を責めるよりも、もっと前向きにこの障害を乗り越える策を講じるべきでしょう。プロのスイングは、「美しさ+力強さ」で言い表すことが出来ます。「リラックス」とは違ったものであることに早く気付くべきです。「リラックス」の呪縛から解き放たれた時、先達のアドバイスの意味が分かってきます。スイングの全体像がおぼろげながらに浮かび上がって見え、そして、スイングの中心となるスイングセンターを探す必要性にようやく気付かされます。この帰納的方法によって、深いラフや硬い芝生、複雑な地形にも対応出来る美しく力強いスイングという、近くて遠かった近代ゴルフの合理的スイングへとやっと近付けるのだと思います。

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