劇団RIN 第29回公演 やさしさよりも軽い死に生きて

平成13年12月9日(日) 静岡サールナートホール

今回の舞台の模様をわずかですがごらんになれます――


ーあらすじー

 盛り場の片隅で、ある男が殺された。
 犯人はすぐに捕まった。凶器のナイフもある。目撃者もいる。本人が刺したという自供もある。
 が、弁護人は無罪を立証しようとしはじめた。しだいにうかびあがる男の過去。そして、弁護人との関係……。

 女は少し年の離れたその男を愛していた。両親のいとなむ下町の大衆食堂に勤めながら、男がくるのを毎日楽しみにしていた。
 毎日のように喧嘩しながら、一緒にお風呂にはいる女の両親。女にほのかな恋心をよせる若い男。下町の食堂にながれるあたたかい時間と、男の過去にながれる暗い時間。

 男を殺したのは、男に悩みを相談していた元看護士だった。彼もまた、恋人の心のすき間をうめるために男たちを裏切った。女の姉夫婦に生まれる小さなすれちがいがやがて離婚へと発展しようとする。

 どこにでもいる人間たちだが、いつしか少しずつ歯車が狂いだす。弁護人は、無罪をかちとれるのか? また、なぜかちとろうとするのか?

【公演より】

【1】

 盛り場の片隅で、元反戦運動の闘士・北沢俊夫が、彼を慕う金村おさむに殺された。

 法廷では、目撃者も凶器もそろい、被告金村おさむも刺し殺したことをみとめる。

 しかし弁護人・和泉実香子は金村おさむの無罪を主張する。

 なぜなのか?

 和泉実香子は北沢俊夫の過去をかたりだす。

【2】
 北沢俊夫のまわりに集まる人々

 仲がよすぎて喧嘩してしまう食堂の夫婦

【3】

食堂での騒動

 食堂夫婦の娘・上村かなにむらがるいろんな男たち
 

【4】

 弁護人・和泉実香子は、故・北沢俊夫の学生時代の恋人であった。

 北沢の闘争はある事件をきっかけに終焉をむかえる。

 みんな北沢俊夫を慕っている。

 なかでも食堂の娘・上村かなは北沢俊夫に好意をよせている。

 

【5】

 故・北沢俊夫は角つきあわせる生活に疲れ、楽園への移住計画をたてていた。仲間たちも彼の唱導にひかれていく。

 しかし、太陽の孤島へ、信じあえる仲間たちとともにいこうという北沢の希望は、ある日とつぜん瓦解してしまう。

 金村おさむが島の購入金を窃盗し、ほかの仲間も生活の変化から計画を放棄し、北沢からはなれていく。

 失意の中、北沢はみずから金村おさむと対峙し、ナイフをかまえる金村へむかっていった。

 それは北沢俊夫が最後にとった決断、自殺だった。

【6】
北沢はなぜ自殺したのか?

 かつての恋人、和泉実香子弁護士は、北沢に恋していた上村かなに、北沢の過去をかたる。

 北沢が反戦運動の闘士だったころ、デモにさそった友人が飛び降り自殺をしたのだった。そのときから北沢の顔から笑顔が絶えてしまった……

 上村かなは、北沢の遺灰をだいて、ひとり計画していた孤島へとむかう。

 なにもない孤島へ……


【ごあいさつ】

 劇団RIN 第29回公演をごらんいただき、ほんとうにありがとうございました!

 これからも劇団RINは、みなさまにお楽しみいただける舞台をつくっていきたいと思っております。

 本日はほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました!

平成13年12月9日 於)静岡市サールナートホール