相関から見たAKB48選抜総選挙vol.2(第6回AKB選抜総選挙)
前回は第5回AKB選抜総選挙について分析を行ったが、第6回の分析が終了したため、報告する。
第6回AKB選抜総選挙基礎データ
1位 渡辺麻友 159,854票
2位 指原莉乃 141,954票
3位 柏木由紀 101,361票
以下80位まで省略
1.相関係数による分析結果
相関係数(1位〜80位までの全体)
項目 |
総選挙までの活動日数 |
年齢 |
順位 |
0.392(0.505) |
0.264(0.402) |
得票数 |
0.460(0.532) |
0.246(0.374) |
括弧内は第5回AKB選抜総選挙における相関係数
「得票数」−「総選挙までの活動日数」においては相関係数が0.460であり、相関関係が認められた。しかしながら、その他の関係においては、相関係数が0.246〜0.392であり、関係性はそれほど強くはなかった。
第5回と第6回を比較すると、全ての関係において、第5回の方が相関係数は高かった。前回は「AKB48として長く活動するほど、良い順位となる傾向が強い。」と結論付けたが、今回の結果からすると、その傾向は弱まった。傾向がないわけではない。
何故このような結果になったのだろうか。「活動開始日の早さによるアドバンテージ(ファンへの認知、メディアへの露出)を活かすことにより、順位に対して好影響をもたらす。」と前回分析した。「メディアへの露出」についてであるが、一般的にメディアというとテレビを連想するが、今の時代メディア=テレビではない。メディアの中にはインターネットも含まれており、AKB48においては「ぐぐたす」が非常に大きな役割を担っている。「ぐぐたす」にメンバーが自ら書き込むことにより、選抜されていないメンバーもメディアに露出することが出来る。AKB48ファンには「ぐぐたす」が浸透しており、選抜されていないメンバーのこともよく知ることが出来る。これにより、活動開始日の早さによるアドバンテージが和らいだのではないかと推測できる。相関係数が依然としてプラスであり、活動開始日の早さによるアドバンテージは残っているものの、総選挙におけるジャイアントキリングが起きやすい状況になった。初めて80位以内に入ったメンバーは多数にのぼり、実際にジャイアントキリングが起こったと考えてよいだろう。
2.回帰分析による分析結果
「総選挙までの活動日数」と「得票数」において回帰分析を行ったところ、下記の通りとなった。
x軸 「総選挙までの活動日数」
y軸 「得票数」
「総選挙までの活動日数」と「得票数」の関係を数式に表すと
y=15.898x+7887.7・・・・@ となる。
第5回における数式は
y=20.665x+5680.8・・・・A であった。前回の報告書に記載されている数式は「主に本家AKB48で活動を行ったメンバー」のみの結果である為、上記の数式と異なっていることを付け加えておく。上記@とAを比較するとxの係数は第5回よりも第6回の方が小さくなっており、前述の1の結果を如実に表していると見てよいだろう。y切片は第5回(5680.8)よりも第6回(7887.7)の方が大きくなっており、回帰分析上、メンバーとしてスタートした時点で7887.7票を獲得していたことになる。これも「ぐぐたす」による影響を受けている結果だと思う。
今回、「ぐぐたす」が結果に影響を与えたと結論付けることとなるが、数値として根拠を示すことはできなかった。これについては今後の課題としたい。
結論:AKB48として長く活動するほど、良い順位となる傾向が強い。しかしながら、「ぐぐたす」等の影響を受け、その傾向は弱まっており、ジャイアントキリングが起きやすい状況になった。