相関から見たAKB48選抜総選挙vol.1(第5回AKB選抜総選挙)

 

先日AKB48の選抜総選挙が行われた。

投票・開票の結果、渡辺麻友が1位となり、次のシングルのセンターに決定した。1位だけでなく、2位以下選抜メンバー、アンダーガールズ、ネクストガールズ、フューチャーガールズ、アップカミングガールズとして総勢80名が選抜された。

 1位となった渡辺麻友には素直に拍手を送るが、ファンから支持を受ける(投票される)には一定の法則があるのではないか、認知されていればいるほど得票数が増えるのではないかと感覚的に感じる。

 そのため、「得票数」・「順位」・「総選挙までのAKBとしての活動日数」、「年齢」についてそれぞれ相関係数を求めた。

 なお今回は比較的数字を得られやすかった第5回選抜総選挙(2013年)の結果を基に計算した。

 

第5回選抜総選挙(2013年)基礎データ

1位 指原莉乃 150,570

2位 大島優子 136,503

3位 渡辺麻友 101,210

以下64位まで省略

 

相関係数(1位〜64位までの全体)

項目

総選挙までの活動日数

年齢

順位

0.505

0.402

得票数

0.532

0.374

1.  「順位」−「総選挙までの活動日数」

相関係数は0.505であり、「順位」と「総選挙までの活動日数」に相関関係が認められた。これにより、「総選挙までの活動日数」が長ければ長いほど順位は上がる傾向にあるということが言える。上位10名の内8名がAKB48の1〜3期までに所属し、残りの2名もSKE48の1期生である。活動開始日の早さによるアドバンテージ(ファンへの認知、メディアへの露出)を活かしたことにより、順位に対して好影響をもたらしている。

2.「得票数」−「総選挙までの活動日数」

相関係数は0.532であり、「得票数」と「総選挙までの活動日数」に相関関係が認められた。理由は上記@と同様である。しかしながら「総選挙までの活動日数」は「順位」よりも「得票数」の方に影響を与えやすい結果が得られた。これは相対的な「順位」と絶対的な「得票数」の違いによることが大きいだろう。例えば、

60位 松井咲子11,961

61位 山内鈴蘭11,808

62位 平嶋夏海11,806

を見てみる。順位はそれぞれ1しか違いはない。しかしながら得票数を見ると、61位山内は62位平嶋よりも2票多いだけであるが、60位松井は61位山内よりも153票も多い。平嶋は3票多く得票すれば山内を追い抜けるが、山内は3票多く得票しても松井を追い越すことはできない。他のメンバーよりも多く得票したことを表す「順位」は必ずしも「得票数」とは同義ではないことを意味している。

 「順位」については100票多く得票しても、他メンバーを上回らなければ変動しないが、「得票数」としては、100票多く得票すればそのまま得票数としての価値が高まる。そのため、「順位」よりも「得票数」の方が「総選挙までの活動日数」に影響を受けやすいのである。

3.「順位」−「年齢」

 相関係数は0.402であり、「総選挙までの活動日数」ほどではないが、相関関係が認められた。「年齢」が上がれば「順位」に好影響を与えるのではないかと推測したが、単に「年齢」が上がるのではなく「総選挙までの活動日数」という指標すなわちAKB48としてのキャリアの方が「順位」に対して好影響を与えることが分かった。

4. 「得票数」−「年齢」

 相関係数は0.374であり、弱いながらも相関関係は認められた。

 

以上のことから、「AKB48として長く活動するほど、良い順位となる傾向が強い。」と言える。

 

 上記の通り、分析したが、一つ疑問が残る。分析対象となった64名の中には、本家としてのAKB48ではなく、SKE48、NMB48、HKT48のメンバーも入っているということである。SKE48、NMB48、HKT48は本家AKB48よりも創設が遅く、このことが結果に影響を与えているのではないかということである。

 そのため、64名の中から総選挙までに主に本家AKB48として活動したメンバーのみを抜き出して同様の分析を行った。結果は以下の通りである。

相関係数(主に本家AKB48として活動を行ったメンバー)

項目

総選挙までの活動日数

年齢

順位

0.669

0.461

得票数

0.582

0.409

全ての項目において、64名全員を対象とした相関係数を上回った。この結果は前述の仮説・結果を更に補強する根拠となるものである。本家AKB48で活動するメンバーは、SKE48、NMB48、HKT48よりもキャリアが長く、有利な状況にあることが分かった。

また「総選挙までの活動日数」と「得票数」について回帰分析を行ったところ下記の通りとなった。

x軸 「総選挙までの活動日数」

y軸 「得票数」

「総選挙までの活動日数」と「得票数」の関係を数式に表すと

y=27.504-2629.5

となる。活動日数が一日増えるに従い、約27票増えるという関係にある。y切片が-2629.5となっているため、約100活動しないと得票数がプラスにならない。

 

 

結論としては変わらないが、また一つ疑問が生じた。キャリアが長いほど良い順位になるということはジャイアントキリングが起こりにくいということ。またキャリアを積み重ねるということは、人間としてのキャリアを積み重ねるということであり、アイドルとしてのスキルだけでなく、人としてのスキルも磨かれ、それが握手会などのファンとの交流に活かされ、順位に影響が出るのではないかということ。以上2点は今回の分析だけでは分析できないため今後の課題とする。

 

今回の結論:AKB48として長く活動するほど、良い順位となる傾向が強い。

 

 

 


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