冬巡業


7日日

【序の口】

みんな見えるかな?
燃えるような夕焼けのもと
独りだけキラリとまたたいて
もうごはんだよ、遊ぶのやめてお帰りね!
そう微笑んでくれてる
お星様がいるんだけど。







竹林のせいで
向こうの景色が見えないんだ。
だから丘に住んでるのに、
広々とした景色さえ目にできない。
くまねこは不満だ。
でもね、
白くまねこが自慢げに
ナイスショット!
黒くまねこに見せてくれた。
そっか。
お空は広いんだね。
黒くまねこは、
井戸に落ちる時がある。
そして、その中でうずくまることが多い。
でもね、白くまねこが、井戸の上から、
お星様が見えるよ〜出ておいで〜って
呼んでくれるんだ。
井戸は深くて、くまねこの爪でも登れないけど、
井戸にくまねこが居るって知ってる友達がいるのは
とても心強いよね。
くまねこには、
丸く切り取られた空しか見えないけど、
お星様は親切だからね、
その日は、
くまねこにも見えるとこに居てくれたんだよ。
「ありがとう!」を、みんなに、あげなくちゃね!