[寸評]
いかにもアメリカものらしい麻薬絡みのクライムノベルだが、娯楽性十分で、かなり楽しめる作品。
バイオレンス度が相当高いので、読む人を選ぶかもしれませんが。
ただ、暴力のみで突っ走るような物語ではなく、巧みにひねってあり、後半は意外な方向へ一気に流れていく。
展開の面白さでも読ませる作品だが、主人公があまりに強すぎるところはやはりありがちです。
銃弾、何発当たってるの。
不死身だね。
[寸評]
読んでいて、はるか昔の大学時代を思い出しました。
とにかく自由だったなぁと。
この物語を今の学生が読んでどう感じるかは分かりませんが、先輩?としては、主人公らが青春を謳歌する様子をもっと恥ずかしげもなく描いてほしかったですね。
一番の不満は、肝心のタマルの破天荒ぶりがあまり描かれていないようで、もっと脇目も振らず突っ走っていくエピソードが必要。
インチキ宗教騒ぎも工夫が足りず。
[寸評]
相変わらずボッシュの猪突猛進ぶりが楽しめるが、今回は事件発生から12時間のドラマということで、今までのシリーズの諸作と比べてちょっと短く、内容的にも少々薄味。
逆に短くてもプロットはしっかり作られているので、スピード感に富んだ、手軽に楽しめる娯楽作に仕上がっている。
加えて相棒の若い刑事とのやりとりや、昔の恋人のFBI捜査官レイチェルとの同行捜査などの人間関係も興趣をそそる。
[寸評]
依頼により死体、セレブ社長、教祖、新妻など代役を演じ、人をたぶらかす役者の物語は、まずその設定から次々登場する人間たちの奇矯さも興趣をそそり、実に面白い。
得体の知れない魑魅魍魎の世界で、これからどんな凄い展開が待っているかとわくわくしながら読み進めるも、中盤からはちょっと嫌な事件の後、広がりに欠け常識的な線に落ち着いてしまった感じ。
マキと絡むモンゾウのキャラも最後まで不可解。
[寸評]
ノンストップ娯楽作。
”やぶへび”という書名は違和感があるが、細かいことは気にせず、流れにまかせて気楽に楽しめば良いという作品です。
甲賀と絡む書類上の中国人妻が、世の男どもが理想とするような可愛くて一途な性格で、おまけに武術の達人で大金持ちの娘。
一方の元警官という主人公のキャラはまるではっきりしない。
最後はでかい花火を打ち上げればいいのに、点火せず終ってしまった感じ。
[あらすじ]
ニール・メイヴンはイラクから帰還して9か月、まともに職を得ることもできず、軍の給与はほとんど使い果たした。
今は週に三日、夜間に駐車場の警備員をしている。
雨の夜、キャデラックに乗ってきた男女。
女の方はメイヴンの高校時代のアイドル、ダニエルだった。
その夜、強盗をあやうく殺しかけたメイヴンを止めたのはダニエルの連れの男。
しばらくしてその男から仕事の誘いを受ける。
[採点] ☆☆☆★
[あらすじ]
静岡出身の石黒寿史は東京の大学に進学し、アパートで待望の一人暮らしを始めた。
映画研究部に入部。
同じサークルには予備校でクラスメートだった法村珠美がいる。
高校は別でも同郷で同じ大学に進学し、趣味も同じ。
もはや他人とは思えない。
しかしアパートの隣室にはサークルの面倒見がよすぎるタマル先輩が。
昨夜痛飲したのに、今朝6時半からジョギングに誘われた。
[採点] ☆☆☆
[あらすじ]
ロス市警殺人事件特別捜査班の刑事ハリー・ボッシュは、上司からの深夜の電話でダムの上にある展望台へ向かうよう指示を受ける。
後頭部を撃たれていた死体はスタンリー・ケントという医学物理士。
近くにあった彼の車からは、郡内のすべての病院に入場を認められているほどのIDカードが。
そこにFBIのレイチェル捜査官が現れる。
ケントはFBIの監視リストに載っていたのだ。
[採点] ☆☆☆☆
[あらすじ]
役者で食えず34歳になった冬堂マキは、玄関ドアに「役者募集」と書かれたORコーポレーションという会社の門を叩いた。
松平という代表の狸親父の面接を受け採用された翌日、指定された笹の葉ホールという建物へ出向く。
エキストラか何かと思っていたら、本物の通夜の死体役だった。
それから5年、今日は浅井頼子という痩せた顔色の悪い女の依頼で、頼子の夫と結婚写真を撮るのだ。
[採点] ☆☆☆
[あらすじ]
女絡みでしくじって警官職を追われた甲賀悟郎は、定職もなく、知り合いの杜英淑に頼まれて、中国人女性と偽装結婚して金をもらった。
日本人と結婚すれば在留資格が与えられる。
甲賀はその女に会ったこともない。
そんなとき、警察から奥さんが病院の救急外来にいるという連絡が。
初対面の妻は記憶喪失状態だった。
英淑にも連絡がつかず、仕方なく甲賀は女を自宅に連れていく。
[採点] ☆☆☆★
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