☆雑記帳


古本道場、入門(2008.7.23)


 「古本道場」(ポプラ文庫)は、作家角田光代が、師匠岡崎武志の命を受け、神保町、早稲田といった定番古本街から、代官山、田園調布、鎌倉等々を巡り、古本道を極めていくもので、今回の文庫本化にあたり、3年前の単行本の内容に加え、海外編まで収録したけっこうな本で、もう面白くて、これで560円は安い!
 この本に触発されて、先日久しぶりに東京の古本街へ。今回は定番の早稲田と神保町を一日、駆け足で回りました。あと、東京駅の地下街の古書店も新幹線の待ち時間にササッと。こういうときはほんと、東京近辺に住んでいる人が羨ましくなります。
 一日中駆けずり回って結局GETしたのは2冊。(もちろん目をひかれた本は何冊もありましたが、みんな高いんだよね。そういうものしか見つけられないのが素人か…。)

・1冊目は、早稲田の「古書現世」で、針すなお似顔漫画集「そっくり」。
1972年発行の献署名入りで2000円。(発行時の定価は2500円!)
これは、漫画家針すなおが1970年頃のスターたちを描いた似顔絵集で、日本漫画家協会賞第2回(1973年度)優秀賞を受賞したもの。 今の若い人にとっては、名前も知らない、又は物まね番組でしか見たことのないような芸能人がほとんど(佐良直美、沢田研二、南沙織、フォーリーブス、麻丘めぐみ等々50人)だが、リアルタイムで彼らをブラウン管越しに見てきた私にはお宝本です。 外装に汚れがありますが、これで2000円!さすが店頭に「珍しい本が安く買える店」とあるとおり。そうそう、「古本道場」の写真の通り、店にはしっかり猫もいました。

・2冊目は、神保町の「けやき書店」で、中田耕治著「真昼に別れの接吻を」
三一書房の中田耕治ハードボイルド・シリーズの一冊で、1969年発行の初版・献署名入りで2500円。この店では最安の部類。
署名に添えて、「酔余の戯れと思し召せ」という粋な文句が書き添えられています。これで購入を決めました。

今日の2冊には大満足ですが、買うのをためらった古本たちにはやはり未練が…。またしばらくは「BOOKOFF」探索で我慢です。


「本の雑誌」を購読しよう!!(2009.1.25)


 このページを見ている人で「本の雑誌」を知らない人はまずいないと思いますが、1月号に衝撃的な記事が出ていましたね。
 要は、経営が急に悪化し、休刊!もあるか、というものでした。
 以前は静岡の書店なんぞには数冊入るくらいで、私も買いそびれるのが怖くて、定期購読にしてから10年近くになります。
 昔定期購読していた「キネマ旬報」などは、店頭発売日より先に自宅に届いてちょっぴり優越感に浸ったりしたものですが、「本の雑誌」は店頭発売より2,3日遅れて届くあたり、出版社の内情が知れて、逆に好ましく思ったりして。
 とにかく「本の雑誌」は、本好きにとっては羅針盤のような存在です。

 2月号では、当面頑張る旨表明されているので少々ホッとしましたが、油断大敵。このページを見てくださっている方々も、ゆめゆめ立ち読みで済ませるようなまねはせず、必ず購入しましょう。


韓国・ソウルに行ってきました。(2011.6.2)


 添乗員・観光付きのためフリーな時間はあまりなかったのですが、東大門市場に行ったときのこと。
 ここは若者向けファッションビルが多いところですが、ちょっと横道へ入ると見覚えのある光景と匂いが・・・。古書店(というよりいかにも古本屋)が道の片側に延々と連なっています。
 帰国後調べると、「平和市場古本屋通り」というそうです。どの店も狭い中、たくさんの本を平積みにしていましたが、参考書、ドリル、辞書、図鑑と思われる本(ハングルが分からないので)を置いている店が目立ちました。

 夕食後にはホテルの近くにある教保文庫の光化門店へ。ソウルで一番大きな新刊書店だそうです。地下道直結の入り口から入ると、ワンフロアですが新しくて綺麗で広い。
 日本書籍コーナーもあり、雑誌は韓流スターを扱ったものが多いですが、最近の小説もかなりありました。漫画は新しいものがハングルに訳されてたくさん並んでいます。児童書コーナーでは母子が座り込んでいるあたり日本と同じ光景です。
 また、文具系雑貨コーナーがかなり広くて、見飽きません。

 ソウルに行かれる方は、時間があったら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


松本の古書店(2012.1.3)


 2011年10月上旬に静岡から松本まで1泊バイク旅に行ってきました。
 松本市は人口では静岡の1/3ほどのこじんまりした街でしたが、古書店は充実しています。

 それも比較的近い距離に各店が点在しているので、歩くだけなら1時間もかからないほどで6店ほど回ることができました。
 松本城大手門駐車場に愛車のバイクを停め、慶林堂書店から探索開始。古書店には見えない蔵造りの洒落た店です。
 そこからアガタ書房、細田書店(店の前が道路工事中で、開店しているのに入れず)、・・・・・ 秋櫻社と回って、ラストは左の写真の青翰堂書店まで街の中心部を一周する形。余裕で歩いて回れます。
 青翰堂書店は松本城をかたどった特異な建物で、思わずカメラを向けました。

 肝心の古書探索のほうは、郷土資料の類の充実ぶりに対し、私の好みのジャンルの本が少なくて残念でしたが、楽しい時間を過ごすことができました。


イルフ童画館で武井武雄の刊本作品を見た(2015.5.20)


 長野県岡谷市のイルフ童画館に行ってきました。
 ここは童画家武井武雄の作品世界を集中的に展示した美術館です。

 今回の目的は、もちろん刊本作品の展示を見ること。
 武井武雄は、一回ごとに異なる技法と素材を用いて、絵・文ともオリジナルで139冊もの本を作成しました。これを刊本作品といい、まさに”本の宝石”と呼ばれるものです。
 139冊は基本的に絵本ですが、絵がステンドグラスであったり、寄せ木細工であったり、紙がなんと栽培から着手したパピルスであったりと驚きの造本ばかり。
 童画館には多くの作品が展示されていましたが、一部の本は実際に手にとって見ることができます。
 本というものの創作に賭けた武井の情熱が伝わってきました。

 建物の正面入り口にはラムラム王(ラムラム王の生まれ変わりが武井)のモニュメントが設けられています。


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