世界遺産・五箇山相倉

合掌造り集落

白川郷・五箇山の合掌造り集落は、1955年12月、ユネスコの世界遺産(文化遺産)
に登録されました。岐阜県南砺市相倉には20棟の合掌造りが現存しています。
100年〜200年前のものが多く、古いものは400年前という棟もあるそうです。
  「(財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団の資料より引用」

屋根の勾配は60度、断面はほぼ正三角形。
積雪の多いこの地で生きる人たちの知恵が
いろいろ窺える合掌造りです。



屋根を支えるのは、根本の曲がった大きい
梁(はり)で、山の斜面に根本の曲がった大
木を見ることがありますがその中で楢(ナラ)
を用います。



三角の大屋根の裏側は、下でも燃される
囲炉裏からの煙ですすけています。
燻製状態で、茅や木の虫食いを防ぎます。



合掌造りの組み立てには、釘は使われず、
縄とマンサクの木を叩いてとった繊維を使
って縛っています。



垂直に近い角度の梯子は、登り降り違う型
で、降りる方が踏み代が少し広く縄がしっか
り巻いてありました。
高所恐怖症の私も好奇心は抑えきれず、
段間隔の広い縄ばしごのような細い踏み代を
足を振り上げ登りましたが降りる恐怖は・・・


梯子が2本、右が登り用、左が降りるとき用。


屋根の葺き替えが終わり、後片付けをして
いる家がありました。
トラックの左側の家、左半分の屋根の色が
ちょっと明るく、右半分と違って見えませんか。
18年から20年で葺き替えるそうです。



茅葺き屋根の葺き替えは、私たちが思って
いる、テレビで見かける風景とは違い、森
林組合が中心になって行うそうです。


ボランティアガイドの話も含めて、見学記です。


合掌造りって、こんなふう

入り口に「紫苑(しおん)」の咲いている家は民宿のようです。
小さな畑が段々畑になっていて、里芋と菜っ葉が育っていました

「日本の原風景がここにある」とはボランティアガイドさんの言。

2006.10.10

鬼灯(ほおずき)の枝が束ねられ、1束200円。
今、1束、家の玄関に飾られています。

白い障子が開け放たれていました。
尾花が揺れて、秋まっただ中。
冬の訪れも早いのでしょうね。

「放水銃」、こんな箱が1棟毎に
設置されています。火に弱い茅
葺き屋根建物を火災から守るた
め、年2回、防火訓練をし地域ぐ
るみで守っているそうです。
この家も民宿。布団や洗濯物が
たくさんお日様を浴びていました。

20棟の家の中、相倉民族館が2棟、民宿が8軒、おみやげ屋さんが3軒。
「地主神社」には、平成3年の歌会始、お題「森」で皇太子殿下の詠まれ
た歌が句碑になって建立されています。静かな木立の中に。

「五箇山を おとずれし日の 夕餉時 森に響かふ こきりこの歌」