<福島第1原発>飯舘村「避難不要」 保安院が被ばく量試算
毎日新聞 3月31日(木)20時57分配信
東京電力福島第1原発から約40キロ離れた福島県飯舘村で、国際原子力機関(IAEA)が測定した放射線レベルが同機関の避難基準を上回った問題で、経済産業省原子力安全・保安院は31日、独自に放射線による被ばく量を試算した結果、内閣府原子力安全委員会の避難基準の約半分にとどまったことを明らかにした。「直ちに避難する必要はない」としている。
文部科学省の簡易型線量計のデータを基に、震災以降の累積線量を試算した。その結果、同村周辺で最も線量が高い地点の累積線量は50ミリシーベルトだった。これは一日中屋外にいた場合の線量で、日常生活での累積被ばく量はこの半分程度と見ていいという。
原子力安全委の指標では、避難基準は実質的な累積線量が50ミリシーベルト以上。保安院は「一日中屋外で過ごすことは現実的には考えづらく、(水素爆発などが起きた3月中旬に比べて)時間当たりの放射線量も減少傾向にある」と強調した。
原子力安全委は31日の会見で「日本の避難の基準は、大気や空中の浮遊物、飲食物の放射線量など、人体への直接的な影響を判断できる数値で決めている。IAEAは、草の表面のちりの放射能を測定しており、日本の基準の方がより正確な評価ができると考えている」と話した。【江口一、永山悦子】
飯館村3月29日公表されているデータ(最も少なく見積もった場合でも)一日約10時間被曝12日より17日間3.982mSv直近142時間平均0.0211mSv/h
→今後この時間当たりの平均線量が続くとすると8時間野外労働した場合少なくとも0.1688mSv/day 10日で1.7mSv, 20日で3.4 1ヶ月で5.0mSvになる。これに家の中にいる間の被曝量と飲食による被曝量が加わる。
また上記記事からすると累積量は25〜50mSv(当日被曝が始まったとしても19日間)であり1日平均では1.3mSv〜2.6mSvとなる、従ってここにいる限り10日で13〜26mSv 20日で26〜52mSv 1ヶ月で39〜78mSv・・・
これは、もともと日本でも取り入れていた原発関連の技術者の許容量である50mSv/年をも越える可能性の高い被曝量である。(ICRPは原子力関係の仕事に就いている人50mSv/年 緊急事態の場合でも100mSv/年としている。にもかかわらず日本はそれ以上浴びると白血球の減少や急性障害の起こる可能性が高まるといわれている250mSvまで限界線量(許容量)をあげた。)
*「限界線量」「被曝量」等で検索をかければ「公衆被曝」が、世界的にどの程度になっているかがわかるので一度調べてみてください。 これでも退避しなくてよいというのだろうか、何をかいわんやである。
また、原子力安全委は、IAEAは空間線量ではなく「・・・草の表面のちりの放射能を測定しており、日本の基準の方がより正確な評価ができると考えている」といっているがこれって本当だろうか?
空間線量というものは、風向き等によって時々刻々変わり決して同心円状に分布しないことは誰しも承知のことと思う、ということは、被曝が始まったときからの累積線量をそれぞれの場所で推定するためには、被曝開始時から継続した計測が必要であり、そうでないかぎりその値は極めて信頼性の低いものとなる、今回問題になった地点に最初からモニタリングポストがあったのだろうか、原子力安全委員会の発表を見る限りそうは思えない。
他方、IAEAが測定した草の表面や地表の放射能は事故当初より風にのって空気中に飛散し地表に降り積もった実累積量であり、かつ累積空間線量以下になっても以上にはならないのだから「この測定値によるIAEAの基準のほうがより正確な評価がでいる」と考えるのが安全性の面から見ても妥当であると言えないだろうか。
*原子力安全委等が最も信用できない理由は、何の根拠も示さず、線量限界(許容量)をその場(被曝量)にあわせて変えて平気な顔をしていることである。安全のための基準値を危険の度合いにあわせて変えていったのではどんな被曝量でも安全になってしまう。