どうもこうにないネ。現にこうして生まれてきた以上、仕方ないアル。
そんな誰にも選べないことを今更グダグダ言ったって、みっともないし無駄なことヨ。それよりももっと大事なこといっぱいあるネ。
確かに戦うの好きな種族アル。滅びそうなのは自業自得ネ。
だけど、私にはパピーや銀ちゃん新八たちがいるように、この広い宇宙にいる誰かにもきっと大事な人がいると思うネ。
だから、本当に滅びる日なんて来ないと信じてるヨ。
まあ、強い種族で生まれたのには感謝してもいいかな。この見た目で弱いヤツは寄って来ないし、逆に腕に覚えのあるヤツは勝手に寄って来るし、一石二鳥。強いヤツを探しに行ってもいいんだけど、一応春雨に属する身だからね。それなりに仕事があるんだよ。
阿伏兎は共食いは嫌だとかよく言うけど、争いってほとんど同族同士じゃないかな?俺達もだけど、地球でだってそうだろう?利益の絡まない感情の戦いっていうのが、一番泥沼化しやすいんだよね。
で、君は殺されたいのかな?
どうって言われてもなぁ。まあ、俺は気に入ってるよ。
春雨の第七師団に居られるのもそのお陰だしな。
理由ねぇ。一言でいうのは難しいが、ものの哀れとでもしようかね。賽の河原で石を積んでいるのを延々見続けているような、どうしようもない哀れさと愛おしさを感じるんだよ。
こういちゃあ何だが俺ほどこの血に愛着を持ってるヤツはいないと思うぜ?
だから、共食いは勘弁願いたいね。
フン、いつかは滅ぶしかない種族よ。実際、わしも多くの同胞をこの手に掛けてきたわ。
かつて、この血に抗おうとした者もおらんわけではない。この宇宙も未だ統率者は現われんが、それなりに統治されつつあったからな。いつかは我らが力は不要になると訴えた者もいた。あっという間に同胞に消されたがな。
まあ、いずれにせよ、わしにはもはや関係のない話だ。
複雑ではあるな。なにせ、正反対な生き方をするガキどもがいやがるからな。
俺としちゃあ、神楽の目指すものを見てみたいとは思う。その血に抗おうとするのがいかに難しいのかは、この身でもって良く知ってる。だからといって、神威を否定する資格は俺には無い。宇宙一のエイリアンハンターと呼ばれるが、それこそこの血あってのもんだからな。
この先どうなるのか俺にはわからんよ。
ただ……子供の幸せを願わん親はいないんだろうとは思う。