
音たかく夜空に花火うち開きわれは隈なく奪はれてゐる
中城ふみ子
_________ 歌のふきよせ _________
この作品は紙捻で歌を記しています。
勤王の志士・平野国臣(<福岡藩・脱藩>が獄中、紙捻でコツコツ製作したという歌集や論文にならってみました。
牢内では筆と墨がご法度のため、粗末な楮紙(ちょし)で紙捻を作りそれを飯粒で台紙に貼りつけ文字としたそうです。流れるようなその線は正確で、筆で下書きをしたようにさえ思えます。世直しに燃える強烈なエネルギーと執念、そんな平野国臣は新撰組によって処刑され生涯を閉じました。
さてさて、翻って、手で文字を書くことすらおぼつかなくなりつつある現代、全ての筆記用具を取り上げられたとき歌人はどんな手段でどの歌を後世に伝えようとするのか興味深いところです。
中城ふみ子は若くして癌で二つの乳房を失い、薬を飲むように恋をして、こころざし中半でこの世を去りました。この三つが揃う女性はそんなにはいないでしょう。ドラマのような一生を当にドラマチックに生きた中城ふみ子、彼女だったら歌にせずにはいられない、止むにやまれぬ思いをどんな手段を使っても歌に書き記す事に執念を燃やしたのではないだろうかと思いつつ。。。
みの虫
日本の模様の一つに「吹き寄せ」があります。言葉の響きといい、ことに好きな柄です。日本の模様世界はありふれた日常的な自然の中にあり、吹き寄せは風に吹かれ、運ばれ、寄せ集められた花びら、枯れ葉、木の実などをデザインした物です。
こんな「吹き寄せ」を指で散らしながら何かの実に見惚れたり、彩りのいい木の葉を陽に透かしてみたり、虫の骸があったりすると何か宝物でも見つけたような気になります。
また干菓子の「吹き寄せ」も好物でこちらも指でさぐる楽しみがあります。日本料理の「吹き寄せ」を箸を休めながらゆったり味わう時間も大好きです。
さて、「歌のふきよせ」、人の心を種としてどんなモノが吹き寄せてくるのか?風/ま/か//せ/// / 、移ろう時のそのモノも楽しめたらと思っています。