薬物動態解析入門2−非コンパートメント解析(講義と演習)
趣旨
薬物動態解析入門の第2弾は、非コンパートメント解析です。非コンパートメント解析としてモーメントとデコンボリューション解析があります。大学・企業ともに先ず行う最初の薬物動態解析は、モーメント解析です。コンパートメント解析に比べあまり取り上げられていないため、その重要性があまり知られていません。さらに、充分に理解していなことによるデータの誤解釈も見受けられます。モーメントとデコンボリューション解析は、データの特性を捉えるのに便利なため、モデリングを行う際にきわめて強力な武器になります。モデリング&シミュレーションを行うにあたり、非コンパートメント解析を理解している、していないで、解析力に大きな差が生じます。うまくデータがモデルにフィットしない原因が、かなりの確率で解消されます。簡単であり、奥が深い、解析法です。すべての薬物動態研究者が理解しておくべき必須の解析法と考えます。
初級、初中級向き
セミナー内容
1. 医薬品開発における薬物動態解析
2. モデル非依存解析がなぜ重要か?
3. モーメント解析 (知っていそうで知らないモーメント解析)
(1) モーメント解析とは(平均滞留時間(MRT)説明できますか?)
(2) パラメータの意味と求め方
(3) クリアランスと分布容積
(3) 尿中排泄データからの求め方
(4) ラプラス変換との関係(コンパートメントモデルを例にして)
(5) 生理学的薬物速度論モデル解析との関係
(6) 非線形動態におけるAUC、MRT、分布容積
(7) 誤解釈を招く解析例
演習
4. デコンボリューション (吸収評価に有用、理解すると応用範囲が広い)
演習
5. Wagner-Nelson法 (徐放化製剤の評価に有用、シミュレーションも可能)
演習
6. Loo-Riegelman法
7. 実際の解析への利用
(1) 吸収評価(モーメント、デコンボリューション、Wagner-Nelson法)
(2) 代謝物の評価
(3) 生理学的薬物速度論で用いる組織モデルの構築
(4) 非線形動態におけるバイオアベイラビリティ評価(Wagner-Nelson法)
等
8. 演習
9. 質疑