物性関係

yae - 02/12/11 10:56:25
通常、薬剤の水溶性と脂溶性の目安には、オクタノール/水分配係数(PH7.4)を参考にしますが、以下のようの性質の薬剤の消化管吸収、体内分布、排泄経路の違いについて、一般的な考え方を教えて下さい。 @分配係数が0.02の水溶性薬剤で、物性は水に溶けやすい薬剤 A分配係数が0.02の水溶性薬剤で、物性は水に溶け難い薬剤 B分配係数が20の脂溶性薬剤で、物性は水に溶け難い薬剤 C分配係数が20の脂溶性薬剤で、物性は水に溶けやすい薬剤 よろしくお願い致します。
M Kato - 02/12/12 08:19:39
一般論として、脂溶性が高いものは、吸収が良く、代謝が速く、タンパク結合が強く、尿中排泄率が小さいという性質があります。しかし、同じ脂溶性であってもパラメータ(非結合型)が100-1000倍ちがう化合物が存在しますので、一概に言えません。脂溶性は目安にはなりますが、各化合物の動態を調べなければ、実際のパラメータはわかりません。油水分配率は対数をとりlogPとして表されます。0.02と20は約-2と2で、-2では吸収率はそんなに高くはないでしょうが、化合物によっては100%近く吸収されるものもあると思います。logPが5以上ではまた吸収されにくくなるようです。水に溶けなくなったり、生体膜を通らなく(膜から出れない?)なったりします。一般論として、Aが最も吸収されず、Cが最も吸収されることになります。@とBは溶解度等によりなんともいえません。どれも吸収率100%ということも有り得ます。
yae - 02/12/12 15:07:27
ありがとうございます。一般に脂溶性物質は、その吸収に胆汁分泌が必要であると言われていますが、脂溶性物質でありながら、空腹時服用の方が吸収が良い薬剤が存在します。これには、どのような理由が考えられるのでしょうか?
M Kato - 02/12/13 08:10:01
難溶性脂溶性物質が胆汁により溶解性が増し、吸収されるため、食事により吸収が増加するのだと思います。通常の薬剤は空腹時の方が吸収は早く、AUCはあまり変わらないというのが一般的だと思います。食事の影響が大きくでる薬剤が少ないので、食後に飲むのが多いのではないでしょうか。私は非臨床担当者ですので、このあたりは私にはわかりません